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名古屋市大が“世界三大疼痛”尿路結石のあらたな予防法を発見!

尿路結石に効果ありの研究結果

 この研究では、宇宙飛行士全員がAREDを用いた抵抗運動を行ったが、ビスホスホネート製剤を服用しなかった10名の飛行士は、宇宙飛行前と比べて尿中の骨吸収マーカーは2倍、カルシウム排泄は1.5倍に増加した。同時に尿路結石の原因となるシュウ酸・尿酸も1.1~1.4倍に増加した。

 これに対してビスホスホネート製剤を服用した宇宙飛行士は、骨吸収マーカーは0.5~0.6 倍まで低下し、カルシウム・シュウ酸・尿酸は0.6~0.8倍にまで低下した。

 この結果、宇宙飛行中の抵抗運動のみでは尿路結石の形成リスクを抑えることができないが、ビスホスホネート製剤の服用は宇宙飛行士の骨密度維持と尿路結石予防の両者に有効であることが、世界で初めて証明された。

 この研究結果は、9月23日に科学誌「JBMR Plus」に掲載された。

 名古屋市立大では、今回の研究成果について、「寝たきりや閉経期の女性、膠原病や慢性関節リウマチなどでステロイド治療を行う患者が罹患する尿路結石にも応用可能であることを示すもので、尿路結石で苦しむ世界中の人々に新たな予防法を提供するもの」としている。

 民間宇宙旅行が現実化し、やがては宇宙ステーションに滞在する時代が到来するだろう。その時、尿路結石予防のための骨粗鬆症治療薬ビスホスホネート製剤の服用が、必須となっているかもしれない。

鷲尾香一(経済ジャーナリスト)

経済ジャーナリスト。元ロイター通信の編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで様々な分野で取材・執筆活動を行っている。「Forsight」「現代ビジネス」「J-CAST」「週刊金曜日」「楽待不動産投資新聞」ほかで執筆中。著書に「企業買収―会社はこうして乗っ取られる 」(新潮OH!文庫)。

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最終更新:2021/11/18 08:00
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