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『X年後の関係者たち』バンドブームは“最もコスパの悪いエンタメ”? イカ天の裏側

「宝島」に載らないバンドはニセモノ

 バンドブームとは、バンドを“聴く”ブームではなく、バンドを“演る”ブームである。

「当時、ネットがなかったので何か自分を表現したいっていう奴らにとってはライブハウスが1番手っ取り早かったわけですよ。同人誌とか作るの大変でしょ? だから、便宜的にバンドを始めたっていうか(笑)。今だと、やらかし系のYouTuberですよね。今だったら全員、迷惑系YouTuberになるんじゃないですか」(大槻)

 当時の「バンドやろうぜ」メンバー募集欄には「当方ボーカル。ボーカル以外全部募集」という投稿が最も多かったらしい。この手のメン募からバンドを組み、メジャーデビューまで漕ぎ付けたバンドは存在するのだろうか? 昨年放送『水曜日のダウンタウン』(TBS系)が「往年のバンド雑誌に載ってるメンバー募集 未だに募集してる可能性も捨てきれない説」なる狂った企画を行っていたが、それほど当時の雑誌は唯一無二のツールだった。そして、綾小路にとってのバイブルは「宝島」だったそうだ。

「僕はもう宝島に価値観をすべて委ねちゃってたんで、『宝島に載ってる人は全員正しいし、その人たちの音楽は聴かなきゃダメだ』『宝島に載らない奴はニセモノだ』と本気で思ってました」(綾小路)

 まさしく、お手本のような厨二。思春期の綾小路が正しいサブカルのレールに乗っていく様子がまざまざと窺える。でも、当時のバンド大好き少年少女は本当にこんな感じだった。

 そんな綾小路が羨望のまなざしで見ていたのは、中古盤屋に飾られる筋少「高木ブー伝説」のレコードである。高木ブー本人に無断でナゴムからリリースした自主制作盤はクレームによって販売中止になり、その希少性から売り値は高騰した。

「僕らのときには物凄いプレミアがついていて、希少盤屋さんに行くと飾ってあって、でも手が出なくて買えなくて」(綾小路)

 オーケンと高木が描かれた「高木ブー伝説」のジャケットを手掛けたのは、漫画家の上條淳士。店にあればどうしたって目につく代物だ。ちなみに、筋少には「ドリフ、地獄へ堕ちて行くの~」という一節が印象的な「ドリフター」という曲もある。

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