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『X年後の関係者たち』バンドブームは“最もコスパの悪いエンタメ”? イカ天の裏側

文=寺西ジャジューカ(芸能・テレビウォッチャー)

YOSHIKI以外はお金に無頓着だったバンドマンたち

 90年2月に筋少は初の日本武道館公演を実現し、同年5月にたまは「さよなら人類」でメジャーデビューした。特に、オーケンは若干25歳で武道館に辿り着いているのだ。あまりにも早い成功。ただ表現したかっただけの若者が、いきなりビジネスと対面したわけである。

「お金の話が始まるんですよ。すごくそれに僕らは戸惑ったなあ。その頃、お金のことをきちんとわかってた人は……いたかなあ? YOSHIKIさんだけじゃないかな」(大槻)

 当時、筋少とたま、それに有頂天やゴーバンズらは「PCM」という事務所に所属していた。オーケンと石川の2人は「お金のことは誰もわかっていなかった」と異口同音に答えている。書籍『BAND LIFE』(メディアックス)のインタビューでオーケンは「デビューして20年間で未回収になったお金をトータルすると、たぶん●000万円くらいですね」と告白。さらに、ゴーバンズに関しては「航空会社のCMが決まって、これから1年ゴーバンズがCMやりますってことでやって、それっきりですよ。だから、そのお金は……(どこかに消えちゃった)」と明かしていた。バンドブームにはそういう一面もあるのだ。一方のYOSHIKIは原盤権に早くからこだわり、自らの取り分を確保した。

「YOSHIKIさんはお金のことわかってる! いい意味でね? ちゃんとビジネスにできる商才があるっていう。凄いと思ったの、それは」(大槻)

 実は、石川もお金には堅実なタイプだ。

「たまもデビューしてお金入ったときに、メンバー同士が『こんなの長く続くわけないから』って言って、そのお金で自分たちのスタジオ作ったんです。だから、その後売れなくなっても自分たちでインディーズレーベル作ってそのまま活動が続けられたっていうのがありますね。そこで好きなものを買っちゃってたら、おそらくバンド活動はそんなに長く続けられていない」(石川)

 意外にもYOSHIKI寄りな展望の持ち主だった石川。現在、彼は西荻窪で「ニヒル牛」という雑貨店も営んでいる。商才ありだ。

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