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映画『355』が打ち出した女性たちのアクション映画を作る意義

文=ヒナタカ

ジェシカ・チャステインが女性キャストたちを集結させた理由

映画『355』が打ち出した女性たちのアクション映画を作る意義の画像2
C)2020 UNIVERSAL STUDIOS.C)355 Film Rights, LLC 2021 All rights reserved.

 それらの超豪華キャストが演じるキャラクターの魅力に沿うように、アクションもまたゴージャスということも本作の見所。特にオープニングのパリのアーケード街でのバイクチェイスは、追いかけるだけでなく、障害となる様々なギミックを仕込んでいるためワクワクさせられた。

 巨大魚市場や高低差のある舞台立て、はたまたオークション会場への潜入ミッションなど、シチュエーションもバラエティ豊かで飽きさせない。『ミッション:インポッシブル』や『007』シリーズのようなスパイアクションものの基本を押さえながらも、『ジェイソン・ボーン』に通ずるリアル寄りの肉弾戦や銃撃戦、『オーシャンズ』シリーズのような連係プレイもあるなど、アクション映画の「いいとこ取り」をしたようなお得感もある。

 このような本格派のスパイアクション映画をオール女性キャストで作りたいというのが、主演にしてプロデューサーも務めたジェシカ・チャステインのビジョン。実は映画の始まりは、2017年のカンヌ国際映画祭で審査員を務めていたチャステインが、リビエラ海岸の街中に貼られていた近日公開のアクション映画のポスターを見て、世界中からスターを集めているのにも関わらず、ほとんどが男性だと気づいたことだった。そこで彼女は「世界には尊敬に値する女優がたくさんいるのに、誰もたった1つの映画にさえ集めることを考えないのか」という疑問に駆られたのだそうだ。

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C)2020 UNIVERSAL STUDIOS.C)355 Film Rights, LLC 2021 All rights reserved.

 その上で、チャステインは「女性たちが映画界で過去どのように扱われてきたか、脅かされ続けているかについて、いつも声を上げてきました」「私にとっては、女優たちを単に雇うのではなく、彼女たちの役づくりのオーナーとなる映画作りが重要でした」とも語っている。出演者であるファン・ビンビンもまた、「ほとんどのスパイ映画では、女性諜報員は男性諜報員の相棒かアクセサリーのようなもので、気を引くための存在なんです」と思っていたことを踏まえ、この『355』での自身のユニークな役柄に大きな魅力を感じていたそうだ。

 前述した多様な魅力を備えたキャラクターを踏まえても「ただ男性がやっていた役柄を女性に置き換えた」ような粗雑さは感じないし、女性キャストたちが堂々と迫力のアクションをこなしていることそのものに感動がある。それは、映画界で男性ばかりが優先してキャスティングされてきたこと、それ以外で女性が搾取をされてきたこと、さらには物語内で女性がマスコット的な扱いにされていたことなど、映画界にあった悪しき歴史のカウンターにもなっているからだろう。

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