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年間300本以上観る映画ライター・ヒナタカの2021年映画ベスト10

年間300本以上観る映画ライター・ヒナタカの2021年映画ベスト10の画像1
映画『アイの歌声を聴かせて』より

 2021年上半期は新型コロナウイルスの感染拡大および緊急事態宣言のため、首都圏での映画館の閉鎖や時間制限に加え、作品自体の公開延期も相次いだ。10月以降は通常通りの上映形態に戻ったものの、あまり映画館で映画を観なかったという方も多かったのではないだろうか。

 もちろん、その厳しい状況下でも素晴らしい映画がたくさん公開されていた。ここでは、年間300本以上(正確な本数は数えていないが1日1本ペースで)観ている映画ライターの、独断と偏見による2021年映画ベスト10と、それぞれの映画の特徴や魅力について紹介しよう。ぜひ参考にしてみてほしい。

10位:『モータルコンバット』

 シリーズ累計で7300万本以上を売り上げる世界的な人気ゲームの実写映画化作品だ。ゲームの近作はあまりに残虐なため日本では販売されていなかったのだが、本作は堂々のR15+指定であり、数は多くないものの過激な格闘シーンおよび「トドメを刺す」様が大写しになることがむしろ見所だ。さらに日本人にとって嬉しいのは、「史上もっともカッコいい真田広之」が観られること。その「いぶし銀」な佇まいはもちろん、オープニングで次々に敵をスマートかつダイナミックに殺戮していくアクションには目が釘付けになるはずだ。「常に目が光っている浅野忠信」も味わい深いものがある。

 ストーリーは「魔界の戦士たちは人間界に9連勝している、あと1回負けると人間界が支配される」という小学3年生が考えたような設定(褒めている)のもと、仲間集めをしていくB級感も漂うものでもあるが、だからこそ超強い戦士たちのバトルを中学2年生のような純粋な心持ちで観られるだろう。それでいて映像表現は洗練されており、森の中に日本家屋が佇む風景、氷を操る最強の刺客との一触即発の戦い、炎にまみれた乱闘など、それぞれが超A級の出来栄えだ。リアル子どもが観られないことを残念に思うくらいだが、グロが平気な大人は無邪気に楽しんでいただきたい。現在は各種配信サービスでレンタルでの鑑賞ができる。

9位:『最後の決闘裁判』

 百年戦争時の中世フランスの史実をベースにした映画だ。あらすじは騎士の妻が、夫の旧友に性暴行されたことを訴えるものの、目撃者もおらず相手が無罪を主張したため、真実の行方が文字通りに生死を懸けた「決闘裁判」に委ねられるというもの。ひと昔前であると「凌辱された妻の名誉のために戦う」美談にもなりかねなかっただろうが、本作は全くそうならない。女性への性暴力そのものだけでなく、「声があげられない」悪しき体制、二次的な精神的な苦痛をも痛切に綴った作品だったのだから。

 特徴的なのは、騎士、その旧友、騎士の妻という3者の「主観」が描かれることだろう。それぞれが伝えているのは確かに「真実」ではあるのだろうが、騎士とその旧友がひどい「視野狭窄」に陥っていたことが後に明らかになり、ラストの決闘裁判の意味が破壊的にまで変わっていく。加害者本人だけでなく、女性をトロフィーや性欲の捌け口としか思ってない男たち、性暴力を受けた女性の気持ちなどいっさい考えず画一的な価値観を押し付ける人々など、それぞれの浅ましさはらわたが煮えくりかえるほどに醜悪だが、それらが中世のフランスどころか現在の世界にも現存していると思えることが悲しくも恐ろしい。だからこそ、観る価値がある一本だ。現在はディズニープラスで見放題である。

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