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世界は映画を見ていれば大体わかる#32

トランプ前大統領の狂支持者が連邦議会襲撃!群集心理に突き動かされ暴徒化

暴徒がついに議事堂に侵入「あれこそアメリカの精神です」

 そんな中、議会ではバイデンの勝利を認証する会議が行われていた。警官と群衆が激しくやり合っていることを、中にいる議員たちはまったく知らないので粛々と議会は進む。外では警官らが放水を始め、ペッパー弾を打ち込んで鎮圧を図ろうとするが効果はなく、盾を奪われ壊れたフェンスを投げつけられるなど衝突は激しさを増す一方。

 そうこうしているうちにトランプの演説は終わり、その聴衆がさらに議会の抗議デモに参加する。議会警察を応援するために首都警察が駆り出されるが近づくことすら容易ではない。

 ついに催涙弾が撃ち込まれるがやはり効果はない、デモ参加者と警官らの衝突は暴動と化す。騒動の最中、群衆のひとりが拳銃を落とし、警官のひとりが拾い上げコートの下に隠す。対応を誤れば発砲の事態になっていたかも知れないのだ。

 暴徒はついにフェンスを破壊し、議事堂建物近辺に迫る。参加者のひとりは「感動的な光景です。あれこそアメリカの精神です」と宣う。暴動がアメリカの精神なの?

 防弾ガラスであろう窓は盾をぶつけて叩き割られ、暴徒は議事堂への侵入に成功する。議事堂内の監視カメラは暴徒が我が物顔で振る舞う様子を克明に記録していた。彼らは不正をただすために議会を中断させようと会議場を目指すが、建物内には地図なんてないのでひたすらうろうろと歩き回る。

「議会を占拠したぞ! 我々の勝利だ!」

 興奮の極度に達した暴徒らは記念撮影を始める。会議場のそばを警護していた議会警官のバイロン・エバンス巡査は、近づいてくる暴徒の前に立ちはだかるがひとりで止められるものではない。ここでエバンス巡査は機転を利かせる。「それ以上来るな、立ち止まるんだ!」と声を挙げながら腰のピストルに手をかけ後退を続ける。いきり立つ暴徒は、後退する巡査の後を追い続ける。巡査は会議場とは反対の方向に進んでいって暴徒を遠ざけることに成功した。

 一方、議会ホールに達した暴徒のひとりはアメリカでは年間80万人の子供が行方不明になり、虐待の被害を受けているとインタビューに答え、トランプは子供を虐待から救う正義の人だと訴える。だから自分も子供を守るために戦うのだと。そんな彼は、占拠された広場でカメラを回し大麻をスパスパ。「騒ぎを起こすつもりはなかったんだ」って、どの口で言ってるのやら。

 暴徒が議事堂内で大騒ぎしている頃、下院議長のナンシー・ペロシ議員のスタッフは恐怖におびえていた。

 別室に隠れ息をひそめているところ、激しく扉を叩く音がした。「襲われるかも知れない」と死を覚悟したスタッフのひとりが両親へ最後のメッセージを送ろうとしたとき、扉が明けられたが身を隠していたスタッフに気づかず、暴徒は入室せずに去っていったことで命拾いする。彼らがそんなスタッフの心情を理解していたようには見えない。

 外で激突を繰り返していた警官らは「トンネル」と呼ばれる通用口まで後退していた。ここを破られたらもうおしまいだ。狭い通用口の入り口付近に警官隊と暴徒は集結し一進一退の攻防がはじまる!

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