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世界は映画を見ていれば大体わかる#28

日本大好きニコラス・ケイジの21年公開作振り返り!マニア唸らす怪優ケイジの世界

文=しばりやトーマス(しばりや・とーます)

日本大好きニコラス・ケイジの21年公開作振り返り!マニア唸らす怪優ケイジの世界の画像1
『アース・フォール JIU JITSU』U-NEXT 公式サイトより

 2021年、日本ではニコラス・ケイジの出演作がなんと3本も劇場公開されてしまった。

 ケイジについては以前もこの連載でネタにさせてもらったけど、2010年代以降のケイジは多作の傾向にあり、年に2~3本は当たり前、多くはDVDスルーなのに、日本では毎年劇場公開!さらに今年も公開予定が2本、撮影予定の映画が3本と多忙にもほどがある。

 そこで昨年公開されたケイジ出演映画ベスト3(というか2本で全部なんだけど)を発表しよう。

 第3位は園子音のハリウッド・デビュー作『プリズナーズ・オブ・ゴーストランド』。

 時代劇に出てくるような江戸時代風の街と西部劇風の街が融合したデタラメな世界「サムライタウン」(適当なネーミング)で、ケイジは銀行強盗で、銀行を襲ったときに相棒が行員を殺した罪で何年も獄につながれている。サムライタウンを支配する実力者から、ある女を無傷で連れかえれば自由にしてやると言われる。ただし逃げられないようにスーツを着せられる。体の各所に白い球体がつけられ、それは爆弾で、女に暴力を振るおうとすると起爆すると説明される。ちなみに股間にも2個セットされている。男の股間には別の玉が2個あるから(笑)。

 この説明の間、周りの人間が

♪大きなノッポの古時計~

を合唱する(歌詞は英語だけど)。

 こうして町を颯爽と出ていくケイジ。ただしママチャリで(なぜ?)。西部劇のように馬にまたがるならともかく、ママチャリじゃ恰好つかないよ!

 ケイジは旅の果てに目的の女を見つけるのだが、動こうとしない彼女を強引に連れ出そうとすると爆弾が警告音を発し、股間の爆弾が一つ炸裂。大事な玉が!まあ、あと1個あるからいいや、じゃないよ!

 園子音のハリウッドデビューと謳ってはいるものの、いくつかの撮影は日本国内で行われ、「外国人が考える日本」の勘違いイメージを逆手にとってわざとやっているのも園監督らしい。ケイジの破壊力抜群の演技がデタラメな世界観にマッチしていて、映画として相当滅茶苦茶なことをしていながら「こういうのも、アリだな」と思わせてくれる。

 第2位は『アース・フォール JIU JITSU』。

 宇宙からやってきたエイリアンと戦うために凄腕の格闘家たちが集められるという『モータル・コンバット』みたいな話。この選ばれし最強の格闘家たちの面子がすごい。

 まずは最強のムエタイ、トニー・ジャー!

 そして総合格闘技映画『ウォーリアー』に出演、『キャプテン・アメリカ』シリーズのクロスボーンズでおなじみ、最強の総合格闘家役者、フランク・グリロ!

 ヴァン・ダムの『キックボクサー』のリメイクにも主演した最強のキックボクサー、アラン・ムーシ!

 テコンドーでオリンピック出場資格も得たことがある最強のテコンドー使い、リック・ユーン!

 そして最強の顔芸役者、ニコラス・ケイジ! ……ここで数段レベルが下がってるような気がするけど。本作におけるケイジのポジションはエイリアンと戦う戦士たちを導く導師的存在。さすがにトニー・ジャーやフランク・グリロのアクションにガチでついていくのは無理とはいえ、撮影に入る前に友人であるホイス・グレイシーによりブルース・リーも使っていた詠春拳や截拳道を学んだというのだから、本作にかけるケイジの本気具合が伝わろうというもの。

 主人公ジェイク(ムーシ)は記憶をなくした男で、突然手裏剣を投げる何者かに襲われ逃げ回る。すると突然現れた謎の集団に捕まってしまい、謎の施設へ連行。その施設でも襲われてしまうが、突然現れた(この映画、突然の展開が多すぎなんですが)戦士たち(ジャーやグリロ)に救われるが、連中からは「今まで何をしていたんだ?」と詰問される。

 導師ワイリー(ケイジ)らと出会い、この世界は6年周期でやってくるエイリアンと地球の代表となる格闘家集団が戦っており、ジェイクもその戦士の一人であると説明される。

 このエイリアンは無敵、というか「絶対に死なない」という設定。じゃあ勝てないだろ! なので「健闘したらお前らを認めてあげる」と譲歩されているのだ。ケイジたちの目的は勝つことではなく健闘すること……ってそれじゃあ、盛り上がらないよ。

 記憶をなくした主人公と聞けば普通は最後に記憶が戻って封印されていた必殺技でも使って勝つんだろうなあ~と思ってたら最後まで記憶は戻らない!仲間から主人公はこれこれこういう人物なんだよ、と聞かされるが記憶が戻らないので主人公はピンとこない。「へえそうなんだ~」程度の感想しか出てこないって斬新すぎ!

 さらに地球の格闘技は宇宙人が伝えたということになっているのもまた斬新。この映画に登場するムエタイ、カポエラ、キックボクシング、カンフー、コマンドサンボ、空手、合気道、チャンバラ…すべては宇宙人が起源だった……って柔術はどこいった!?この映画のタイトル、「JIU JITSU」なんだけど!でもケイジをはじめとする出演者は誰も「じゅうじゅつ」と発音できなくて「じうじつ」って言ってるけども。何から何まで斬新すぎて度肝を抜かれましたよ。

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