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『ポンポさん』じわじわ話題になり始め…他、年始にVODで見られる劇場用アニメ

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映画大好きポンポさん

 一昨年の年末は秋から冬にかけて猛威を奮った新型コロナの影響で、年末年始なのに不要不急の外出がためらわれるご時世だったことで家に籠っていたのですが、今年も昨年に比べれば落ち着いたとはいえ、必要以上に必要以上にはしゃがない方がいいのは同じ……。ということで大人しく家に籠っていたいあなたが暇を持て余さないために自宅にいるだけで楽しめるVODをご紹介。

 その中でも近年『鬼滅の刃』や現在公開中の『呪術廻戦』と爆発的ヒットを記録することで注目を集めている劇場用アニメ作品にスポットを当ててみました。

 1本目はU-NEXTで独占配信中の『映画大好きポンポさん』。原作は2017年にpixivで無料公開されたデジタルコミックだが、公開と同時に話題沸騰。書籍化、続編化、そして劇場アニメ化と異例のスピードでメディアミックスが展開された作品だ。

 映画の都ニャリウッド(ハリウッドのパロディ)で伝説のプロデューサーの孫娘として祖父のコネのみならず才能までも受け継いだ若きシネアスト、ポンポさんの率いる映画会社でアルバイトをしている青年ジーンくんの物語。ジーンは青年時代友達もいない暗い青春時代を送っており、映画館で一日中過ごすことだけが唯一の娯楽であり、人生そのものであった。ポンポさんはそんな映画オタク青年、ジーンに新作B級映画の予告編を作らせる。彼が抜擢された理由は「目に光がない」というものだった。

「幸福は創造の敵」と言い切るポンポさんは青春時代に友人に囲まれ、恋愛にうつつを抜かしキラキラした目をしている、いわゆる陽リア充、陽キャな人間にはクリエイターの資格ナシ!と随分偏った物の見方をしているのだが、ジーンのように社会に居場所がない人間こそが自分だけの居場所をつくるクリエイティブの才能に満ち溢れている!

 こうしてジーンは撮影の経験すらないのに大作映画の監督に抜擢されることに。田舎から夢を追ってやってきて新人女優や往年の名優を相手に苦戦しながらも撮影を終える。撮影のあとは編集だ!

 ひとつのシーンでも編集のテクニックで全然違う印象になり、観客が普段意識しない編集の技術を存分に楽しめるのも本作の魅力だ。

 ジーンは何十時間も撮ったフィルムのすべてに愛着があるため、なかなか不要なシーンを切って捨てることができない。あっという間に期限は過ぎ、凝り性のジーンは追加撮影を要求。しかしスケジュール通りに完成しない映画にスポンサーは金を出さない。スケジュールのために妥協するか?クオリティを高めるために意地を張るか? 創作者にとって永遠のジレンマに本作は挑む。クリエイターの夢と狂気を詰め込んだ90分である。

 2本目は『魔女見習いを探して』。1999年から2005年にわたって放送されたテレビアニメ『おジャ魔女どれみ』シリーズの放送20周年記念作品という位置づけで製作された劇場用新作。筆者は放送当時すでにキッズでも学生でもなかったが、オタクなので(笑)懐かしい思いで本作を楽しんだ。

 登場人物はテレビシリーズのキャラクターではなく、「子供の頃にどれみシリーズを見ていた子たち」という大胆な設定で、最初にこのキャラクター設定を聞いた一部のオタクたちから反発もあったが、登場人物たちはアニメを見て魔法少女に憧れるものの、大人になるにつれ、やがて夢と現実の折り合いをつけて社会に出ていく。そして社会に出ることで様々な困難や苦労に直面する。

 貿易商社で働く27歳の吉月ミレは、帰国子女で語学堪能であることを生かすキャリアウーマンだが、帰国子女故に白眼視さて仕事に行き詰まる。

 教員を目指す大学生の長瀬ソラは教育実習で発達障害児童にかかりきりになってクラス全体への指導ができなかったトラウマに打ちのめされる。

 美大への進学を目指す川谷レイカは学費稼ぎのバイトで忙しい日々が送るが、夢はミュージシャンとでかいことを言いながら日がなパチンコばかりして彼女のヒモと化している彼氏から離れられない。

 3人はリフレッシュのために訪れた『どれみ』の舞台の聖地巡礼先を訪れ、偶然出会う。現実世界での様々な問題を前に「どれみたちみたいに魔法が使えれば解決できるのに」と言いながらも現実には魔法はない。しかし3人は放送当時のキャラクター商品である魔法玉に願いを込めてみると……。

 アニメ本放送ではドジで失敗ばかりしているどれみたちが魔法の力で何もかも解決する、という話ではなくあくまで魔法は事態を解決するためのとっかかりに過ぎず、行動することや人とのふれあいで問題が解決する、ということが多く、『魔女見習いをさがして』でも大事なのは魔法に頼ることではないんだと気づきを得て物語は幕を下ろす。

 かつて魔法を信じていた視聴者も「魔法などない」という残酷な現実に打ちのめされたことがあるだろう(筆者含む)。そんな当時の視聴者世代納得の一本。

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