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厚生労働省がついに広域火葬計画の整備を指示 新型コロナの影響でやっと…必要性訴えられ

文=鷲尾香一(わしお・こういち)

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写真/GettyImagesより

 新型コロナウイルスのオミクロン株の感染拡大が続く中、厚生労働省が各自治体に対して、広域火葬計画の整備を指示したことが話題となっている。広域火葬計画とは、大規模災害で多数の犠牲者が発生し、被災した市町村で火葬が追いつかない場合、周辺の自治体や県外の協力を得て円滑に実施するための計画だ。

 厚労省は2月7日、各自治体に対して、「オミクロン株の感染流行に対応した広域火葬計画の整備について」を発出した。

https://www.mhlw.go.jp/content/000894387.pdf

 この報告によれば厚労省では広域火葬計画の整備について、「今般のオミクロン株の感染力の高さは各方面から指摘されているところであり、死亡者数も再び全国的に増加している状況」にあることから、「災害発生時と同様に、広域火葬計画に則った形で要員の派遣要請及び受入を行うことが非常に重要」としている。

 さらに、計画の整備するにあたって、神奈川県と千葉県の広域火葬計画を参考として掲載している。

 両県の計画では、県内の火葬場および近隣都県だけでは広域火葬への対応が困難であると判断した場合には、速やかに厚労省に対し近隣都県以外の道府県へ応援要請を依頼することや、厚労省から他の道府県への広域火葬の応援要請があったときは、積極的に対応することで、広域火葬を円滑に進めることが定められている。

 県内での必要な措置としては、災害等発生時に使用する遺体安置所の確保、棺及び遺体保存剤(ドライアイス)の確保、作業要員の確保方法並びに火葬場までの搬送手段の確保方法および搬送経路が上げられている。

 特に、新型コロナなど感染症に対しては、感染性遺体を収納する際に必要とされる非透過性納体袋の確保および作業要員の感染を防止するための手袋、マスク等感染予防のための物品の確保が重要としている。

 さらに、火葬場までの遺体の運送についても、葬祭業者、霊柩車運行業者等の関係事業者または関係団体との協定の締結と、遺体の搬送および資器材の搬送に使用を予定している車両を、緊急通行車両として県公安委員会に事前の確認を受けることを指示している。

 また、緊急通行車両が十分に確保できない場合は、関係業者、自衛隊等の協力を県に要請することも指示している。

 感染症で死亡した遺体については、その取扱いが非常に重要になる。

 この点については、火葬の実施までに時間を要する場合には、遺体数に応じた十分な数の遺体安置所の確保、遺体の保存のために必要な物資の調達、作業要員の確保など、遺体の取扱いに係る必要な措置を行うことをあげている。

 さらに、感染性の遺体は遺体保存剤(ドライアイス)とともに非透過性納体袋に納め、速やかな火葬について配慮することが必要としている。

 また、迅速な火葬許可事務の実施が困難であると認められる場合には、戸籍確認の事後の実施等、実態に応じた事務処理を行うことを可能としている。

 筆者の叔母が昨年末に老衰で亡くなったのだが、この時も斎場が非常に混んでいた。斎場の関係者に聞くと「年末で亡くなる人が増えていることに加え、新型コロナで亡くなる人の火葬に手間がかかるため」という。

 通常、火葬に当たって遺族は、参列者の会食も合わせて行うため、昼前後の時間が混み合う。筆者の場合には、新型コロナ禍ということもあり会食を行わなかったため、午前10時から火葬を行ったのだが、この時間に特殊な事情がない人の火葬を行うケースは少ないという。

 斎場の関係者は「1番最初と1番最後あるいは時間外は、事件性のあるご遺体や自殺体の火葬が多いが、現在では新型コロナで亡くなられた方が多くなっている」という。

 2月13日時点の新型コロナによる死亡者数は全国で137人だ。この数字だけみると広域火葬計画が必要な人数とは思えないが、こうした新型コロナでの死亡者の火葬を行う時間帯や手間暇を考えると、すでに広域火葬計画が必要な状況になりつつあるのかもしれない。

鷲尾香一(わしお・こういち)

鷲尾香一(わしお・こういち)

経済ジャーナリスト。元ロイター通信の編集委員。「Forsight」「現代ビジネス」「J-CAST」「週刊金曜日」ほかで執筆中。

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Twitter:@tohrusuzuki

最終更新:2022/02/18 06:00

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