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角栓にゅるっ、トイレに浮く脂…うさん臭すぎるネット広告の舞台裏 代理店関係者「人を騙して…」

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誰もが一度は目にしたことがあるだろう、ネットのPR広告(画像はイメージです)

 ニュースサイトを読んでいると、よく見かける「PR広告」。これは企業から依頼を受けて書く広告記事のことで、興味本位でクリックしてみると、怪しげな商品が割と高値で売られているサイトに飛ばされる。

 あの商品たちは本当に効果があるのか? このようなPR広告の裏側に迫るため、PR系の広告代理店を経営している立花裕二さん(仮名・28歳)に話を聞いた。

「シミ消しサプリ」初回限定でコンシーラーがつく理由

――PR広告の仕事には、どのようなものがあるのでしょうか?

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広告代理店を経営する立花裕二さん(仮名・28歳)

立花裕二さん(以下、立花) 美容商品を売るためのマンガ原作の記事とかですかね。僕の場合は脚本と絵コンテを書いて、有名なマンガ家やライトノベルのノベライズをしている人にお願いしていました。バイト感覚で引き受けてくれて、記事広告や動画広告に仕上げていきます。

 ギャラは一件20万円など、単発でもらえるところと、記事を通して商品が売れた分だけ既定のパーセンテージでもらえる場合があります。

 紹介する商品は多種多様で、「飲むと爆乳になるサプリ」や「美白になる歯磨き粉」などがあります。中身はほとんど効果のないものばかりか、市販されているものと成分がほぼ同じなのに、値段が10倍もするような物も多くありました。

――売れる商品はどのようなものが多いですか?

立花 僕が直接携わったわけではないので、詳しくはわかりませんが「置き換えダイエット食品」は売れ筋です。水に溶かして飲む粉のようなものは人気ですね。ですが、ラクしてダイエットはできません。芸能人で体型維持している方は、ジムで運動しているし、努力もしています。でも、その粉がバカスカ売れるんですよ。中身はただのプロテインなんですけどね。

 でも、2021年8月に「薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)」が改正されて、誇張表現ができなくなり、売り上げが下がってきました。薬機法とは医薬品や医療機器の品質を保持するための法律で、違反した場合、2年以下の懲役または200万円以下の罰金が課されます。

 その一方で、薬機法を潜りぬけるやり方として、例えばシミが消えるサプリメントの場合だと、初回限定でコンシーラーをつけるという作戦もあります。「シミを消すのはコンシーラーです」という一文が、わかりにくいように書いてありまして、シミが消えるサプリメントを定期購入しているつもりが、買っているのはただのビタミン剤だったということもあります。

――昔からある健康食品の詐欺と同じような構造ですね。

立花 ほかにも白髪染めもよく売れる商品のひとつで、「医薬部外品」と銘打って販売している商品はよく売れます。「キューティクルを開かずに、髪の内部までしっかり染める」などの謳い文句で、どこかスゴそうな感じをかもし出して、市販されているものとほぼ変わらない物を高値で販売しています。

 とはいえ、「当たる商品」と「当たらない商品」の差がすごくて、中身はほぼ同じなのに、テレビの情報番組に出演している先生が監修していたりすると、よく売れます。

 あとは、不祥事を起こした芸能人、元有名アイドルグループのタレントが監修や宣伝に関わっている商品はよく売れます。監修をオファーする際は、その人の所属する事務所に直接連絡したり、共通の知人からつないでもらったりしています。

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