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ゼレンスキー大統領の国会演説は肩透かし?引用されるべき2つの日本の歴史的快挙

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ゼレンスキー大統領(写真/Getty Imagesより)

 ロシアがウクライナに侵攻してから3月24日でひと月が過ぎた。その前日の23日、同国のウォロディミル・ゼレンスキー大統領はオンライン形式で日本の国会に向け演説を行った。

 約12分間行われた演説の冒頭で大統領は「日本はすぐに援助の手を差し伸べてくれた。心から感謝している」と、日本が行った人道支援に謝意を示した。

 国連安全保障理事会の常任理事国でもあるロシアが拒否権を行使するためままならない現状については「国連も安全保障理事会も機能していない。話し合うだけでなく(侵攻停止へ)影響を与えるための改革が必要だ」と嘆き、「侵略を止められる新しいルール(手段)を作らなければならない。本当に侵略を止められるようなツールだ。ウクライナ、そして世界のため日本のリーダーシップが大きな役割を果たせる」と述べ、国連改革での日本のより強い指導力発揮を求めた。

触れられるべきだった?日本海海戦と文永・弘安の役

 ゼレンスキー大統領の演説は国連改革に向けた日本のリーダーシップを求めるなど抑えるべきところは抑えていたし、特に問題がある演説ではなかった。可もなく不可もなし。ただ、これまで欧米向けに行った演説と比較してインパクトに欠けていたように感じられた。

 この日本の国会向けの演説の前に、シェイクスピアの戯曲「ハムレット」の「生きるべきか、死すべきか」の名台詞を引用し、第二次世界大戦でナチス・ドイツに追い詰められ、窮地に立たされたチャーチル首相が英下院で行った歴史演説をなぞらって「我々は諦めないし、負けない。海でも空でも戦う。いかなる犠牲を払おうとも、我々の領土のために戦いつづける」と述べた英議会向けの演説や、公民権運動を主導したマーティン・ルーサー・キング牧師の有名な演説「私には夢がある」を引き、「いま私には必要なものがある。私たちの空を守る必要がある」と呼びかけた米議会向けの演説を聞いていただけに正直、日本の国会向け演説には肩透かしを食らってしまった。

 この米英だけでなく、ドイツ議会に向けた演説でも1989年の「ベルリンの壁の崩壊」に言及するなど、ゼレンスキー大統領の演説はこれまで必ず、各国の歴史的背景を踏まえたエピソードを盛り込んだものだったので、日本の国会に向けた演説に対しても筆者は大いに期待した。

 尊敬する政治家として上杉鷹山(ようざん)を挙げた故ジョン・F・ケネディ大統領にあやかり、誰か日本の歴史上の人物の名前を挙げ、その言葉を引用してくれるのではと密かに期待をしたのだが、それも最後までなかった。

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