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二郎系ラーメン、存続のピンチ! 値上げラッシュで「背脂マシマシ」なんてとんでもない?

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「マシマシ」よ永遠に…(Getty Images)

 食品の値上げラッシュが止まらない。その原因は、ロシアによるウクライナ侵攻、天候不順、円安など、複合的な要素が絡み合ったもので、街に溢れるラーメン店はどこも厳しい状況に追い込まれている。

 燃料費と輸送費がコロナ禍で上昇していたところ、小麦の一大生産地であるロシアとウクライナの情勢が不安定となり、小麦価格も高騰。もはや値上げは不可避の状況だ。

「さまざまな品々の値上げの連鎖は、直接の原因はウクライナ侵攻ですが、とりわけ先行きが心配されているのが小麦です。日本の小麦の輸入元は99%以上がアメリカ、カナダ、オーストラリアの3カ国ですが、世界的に見れば、小麦の輸出量はロシアが1位でウクライナが5位。両国からの供給が滞れば、価格が上がるのは必至です。すでに日本における小麦の販売価格は1年前と比べておよそ2割も高くなっており、今後も下がる要素は見当たりません」(流通ジャーナリスト)

 言わずもがなだが、ラーメンの麺の原材料は小麦だ。他の商売なら、原材料価格の高騰をすぐにでも価格に転嫁するはずだが、ラーメン店は値上げが容易ではないという。

「通常、飲食業界は原価が3割以下でないとやっていけないと言われていますが、ラーメン店は店舗数が極めて多く、価格に対する消費者の目がシビアなので、カツカツで商売している店が多いんです。物価は上がっても給与は一向に上がらないのだから、お客の財布の紐は固くなるばかり。10円~20円の値上げでも目に見えて客が減りますし、たとえステルスで量を減らしても、客はすぐに気付きます。

 ただでさえコロナ禍でアップアップしていたのに、店舗の家賃は下がらず、燃料代は上がる一方。小麦の値上げは話題になっていますが、豚肉、鶏ガラ、豚骨、モヤシなど、あらゆる品の仕入れ値も上がっています。せっかくコロナ禍が落ち着き客足が戻ってきたタイミングでの値上げは慎重に検討する必要がある。これ以上、原材料費が上がるようなら、いよいよ商売上がったりですよ……」(飲食関係者)

 とりわけ、安くてボリュームのある“二郎系”のラーメン店は大ピンチだ。

「盛りがいいわりに安い“二郎系”ラーメン店ですが、それらは広告費を掛けず、人件費を極限まで減らしたり、売り切りにして食材のロスをなくしたりすることであの価格を実現しています。でも、原材料費が上がればそんな努力だけでは対応し切れません。

 小麦の値上げも大打撃ですが、価格上昇がひときわ目立っているのがラードです。バイオ燃料転換に伴う需要の増大、中国のロックダウンに伴う供給の減少、飼育頭数の減少など理由はさまざまですが、コロナ禍でいったんは下がった価格が一気に上昇。都内の人気ラーメン店の店主は『仕入れ値が一気に3割上がった』と話しています。二郎系といえば、ヤサイやニンニク、アブラ(背脂)などを無料でトッピングできるのが大きな売り。ですが、店側からすれば客に“マシマシ”コールされる度に胃が痛くなるでしょうね」(週刊誌記者)

 ラーメンを食べて1000円でお釣りが来る時代は、もうそろそろ終わりを迎えるだろう。

 

※それならカップ麺を食べるかも…?

藤井利男(ライター)

1973年生まれ、東京都出身。大学卒業後に週刊誌編集、ネットニュース編集に携わった後、独立。フリーランスのジャーナリストとして、殺人、未解決事件、死刑囚、刑務所、少年院、自殺、貧困、差別、依存症といったテーマに取り組み続けてきた。趣味はダークツーリズム。

ふじいとしお

最終更新:2022/08/10 20:04
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