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ANNとJUNK「芸人ラジオ」の変遷に見る、ニッポン放送の復活とTBSラジオの凋落

火曜JUNKの1番の売りは「爆笑問題の“ヤバい方”は田中」」

 続いては、「JUNK」について。2002年にスタートした同枠、最初は以下のようなローテーションだった。

月曜:伊集院光 深夜の馬鹿力
火曜:爆笑問題カーボーイ
水曜:コサキンDEワァオ!
木曜:さまぁ~ずの逆にアレだろ
金曜:極楽とんぼの吠え魂

 懐かしい。実は、筆者は「コサキン」と「吠え魂」のヘビーリスナーだった。今も加藤浩次が『アッパレやってまーす!』(MBSラジオ)のパーソナリティを務める現状を踏まえると、山本圭壱の事件さえなければ、極楽は今でも「JUNK」を続けている気がする。

 そして、さまぁ~ずの存在も目を引く。定期的に『ナイナイのANN』にゲスト出演していた2人だ。ナイナイと裏被りになるのを避けるため「頼むから木曜だけは勘弁してくれ」と局に懇願するも、その希望は叶わなかったというエピソードは有名。結果、ナイナイに返り討ちに遭ったさまぁ~ずの後釜に入ったのは、オセロ・中島知子(『木曜JUNK オセロ中島の黒真珠夫人』)だった。人選が時代を痛感させる。そして中島のJUNKが終了した後、同枠を引き継いだのは『木曜JUNK アンタッチャブルのシカゴマンゴ』だった。

 番組は、伊集院とともに「JUNK」を引っ張る、爆笑問題の太田光と田中裕二にも話を聞きに行った。

田中 「オファーを受けたときの記憶っていうのがまったくないんですよ」
太田 「最初、特番でいくつかやってたから、お試しでね。あのときはANNも決まりかけてたの。TBSとANNのパイロット版をいくつもやってて、どっちが先に決まるかっていう状態で、TBSが先に決まったんですよね」

 爆問とニッポン放送でいえば、1990年のナイターオフ期に始まった『爆笑問題のオモスルドロイカ帝国』が印象深い。ただ、今の爆問とTBSラジオの深い関係を鑑みると、TBSを選んで正解だったように思う。

田中 「深夜の1~3時の枠っていうのは、今は『JUNK』ですけど、当時は『UP’S』っていう番組名で、お試しでちょっとやったんだよな。それで、そのままの流れで毎週ってことになったんです」

 東京に進出して間もない千原兄弟が火曜を担当し、K-1全盛時の佐竹雅昭が水曜を担当したのが「UP’S」だった。「スーパーギャング」→「パックインミュージック21」→「ミッドナイト☆パーティー」→「UP’S」→「JUNK」という変遷を辿ったTBSラジオの深夜枠だが、特に「パック」が終わってから同局の25~27時台は迷走していた。「UP’S」がスタートし、ようやく復活の兆しが見え始めた印象だ。

田中 「テレビに出たいという思いもあったんだけど、とにかく1番最初のきっかけはラジオ」
太田 「我々世代はみんなそうです。とにかく、『ビートたけしのオールナイトニッポン』で衝撃を受けた世代ですから。もちろん、ツービートの漫才も好きだけれど、なにより笑ったのはANNのビートたけし。『ひょうきん族』よりも『THE MANZAI』よりも、ANNのビートたけし。これがもう、腹抱えて笑ったよね」

 太田の言葉は誇張ではない。当時のたけしファンにとって、ラジオは聖域だった。ANN番組本『ビートたけしのおもわず幸せになってしまいました』文庫版(扶桑社)のあとがきで、故・ナンシー関がこんな文を寄せている。

「あの頃、たけし口調の男がいっぱいいた。私は女なのでそんなことはなかったが、何かを模倣していたと思う。いや、伝染っていた。(中略)どこがどうとは特定できないが、私の中の何かの基礎がビートたけしのオールナイトニッポンによって出来上がったのは否めない」

『ビートたけしのANN』は90年12月に終了。その後釜に就いたのは、当時無名の古田新太。古田のANNは文句なしに面白く、筆者もヘビーリスナーになったが、当時の空気感として「たけしの後に木曜1部に就くのは伊集院なのでは?」という予感があったのも事実だ。

 そんな伊集院は、爆問の「JUNK」をこう評している。

「いつも、みんな太田さんが変人だと思ってるでしょ? 本当は田中さんの方がどうかしてるってことが月1くらいで表に出ちゃうのが、あのラジオの1番の魅力な気がする。田中さん、ラジオの生放送中にうんこ漏らしちゃってるんだよ? しかも、ただうんこを漏らしただけじゃない。普通に漏らして、そのことを言わないの。最後の最後に、太田さんが『さっき、お前“トイレ行きたい”って言ってたけどどうしたんだよ?』って言ったら『うん、もう漏らしたから』って、普通のトーンで。こんなの生で聴きたいじゃん(笑)」

 定期的に話題にのぼる、「本当の変人は田中」説である。これ以外にも、「太田家にトイレを借りに行ったが、間に合わずにトイレの蓋にうんこをした」という狂人エピソードも有名。番組中、いきなりその事実を告白されて太田が絶句した回は伝説だ(「JUNK」2009年8月25日放送)。

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