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串カツ田中の牛ヒレ「300円なんて原価が絶対に合わない」企業努力に絶賛の声

文=大沢野八千代(ジャーナリスト)

串カツ田中の牛ヒレ「300円なんて原価が絶対に合わない」企業努力に絶賛の声の画像1
TBS『ジョブチューン~アノ職業のヒミツぶっちゃけます!』公式ツイッターより

 7月9日放送の『ジョブチューン~アノ職業のヒミツぶっちゃけます!』(TBS系)では、居酒屋チェーンでは初めてとなる、串カツ田中がジャッジ企画に参戦した。

 串揚げの名店、懐石料理店、和食店、ミシュランの星を持つ店などから一流料理人たち7名が集まり、従業員イチ押しメニューの10位~1位を順に試食し、合格か不合格の札で審査する。

 半数以上が合格をあがれば、“合格“いわばお墨付きとなる。

「あえてチープな感じの大衆的な親しみやすい店構えと、関西のソウルフードが気軽に楽しめる居酒屋として2008年に東京に誕生し、その後は関東圏を中心に一気に広がり、300店舗以上に成長しました。家族や若者からの支持が高いですが、串カツはお肉だけでなく、野菜や魚介などバラエティ豊富、1本100円~300円台とリーズナブルに楽しめるので、1人客やリピーターも多いんです。コロナ禍で大打撃を受けた居酒屋チェーンのなかでも、自宅用の冷凍串カツセットに力を入れたり、奮闘し続けている印象です」(フードライター)

 さて、従業員イチ押し10位は、山芋。

 シャキシャキホクホク食感にこだわるため、生の山芋を仕入れ、各店舗で皮をむき、1ミリ単位で正確にカットする手の込んだ一品。

 開発担当者も緊張から言葉に詰まってしまうが、一流料理人たちは冷静に試食する。

「これは、粉をふってから衣をつけていますか?」と審査員の1人が聞くと、開発部リーダーは「串カツ自体が、粉を打ったりして生地をつけるものではないので…」と反論。
すると食い気味で「どうして?誰が決めた?よりよくするには、打ち粉も必要じゃないんですかね?」と、10位にして厳しい意見が。

 ただし、不合格の札は2名からあがったが、合格が5名で幸先のいいスタートをきり、安心感から開発担当者は既に大泣き!

 気を取り直して、9位は大阪の伝統料理の1つ、プリプリのホルモンと野菜がオリジナルの甘辛ダレと絡まった、ちりとり鍋。

 創業者たちが生み出したレシピに、日々、微々たる改良を重ねているそうだが、首を傾げながら口に運ぶ一流料理人もいる。

 緊張感漂うなか、なんと結果は、満場一致のパーフェクト合格。

「国産牛ホルモンを使ったときのスープのにじみ出る脂の甘みは、鍋メニューを作った時に絶対騙せない1番大事なところ」と、唯一の鍋メニューを一流料理人たちは絶賛した。

 8位は、韓国のり、たくあん、青ネギ、すりごま、ごま油、マヨネーズなどを自分で混ぜて握る体験型のメニュー、田中のおにぎり。

 一流料理人たちは、手袋をはめ、一生懸命におにぎりを握っている。味だけでなく、その過程も楽しめるメニューは、客にも大好評だという。

 こちらは合格5名と不合格2名で、3連勝。

 7位は、上エビ。

 エビを使った料理は、この企画で色々な企業が過去に苦戦した食材であり、今回も一流料理人たちから下処理などについて細かい質問が飛び交う。

 合格が4名で不合格の3名を上回り、合格した。

 6位の国産ホルモン炒めは、合格が4名で、こちらもギリギリ合格。そして、またもや体験型のメニュー、たこ焼きが5位にランクインした。

 小学生以下の子連れ家族は、なんと無料という太っ腹! だからといって、手を抜かず、2年間かけてリニューアルし、40回以上試作したという。ここは5名が不合格で、無念の結果になってしまった。

 4位は、関西で串カツの定番メニューとして知られる紅しょうが。

 こちらも不合格が5名で、苦戦が続く。

 商品開発部のリーダーは「紅しょうがは、これが完成と思い込んでいた部分もあったので、味付けの部分の見直しだったり、量や素材に関しても見直したいと思います」と謙虚だった。

 第3位は肉の旨味と食べ応えを感じられるように原価ギリギリまで分厚くしたという牛ヒレ。合格4名、不合格3名で合格。

 悩みながら合格の札をあげた審査員の1人は「牛ヒレを串カツ田中さんが出すって、相当の企業努力じゃないと無理だと思うんですよ。300円なんて、原価が絶対に合わないので、すごいと思いましたよ、単純に」と褒めた。

 次は創業当初から串カツに並ぶ看板メニューである、田中のかすうどん。企業のロゴにもその名が刻まれているため、開発チームもハラハラしている。

 昆布、煮干し、かつお、サバ節などで作った出汁と、油かす(ホルモン)を煮込んで、オリジナルのうどんを加えたシンプルだけど味わい深さがウケて、合格6名に不合格1名で無事に合格した。

 最後は、月に約40万本も売れるという看板商品の串カツ豚。

 ロース肉を工場で熟成し、1枚の肉を波打ちさせて串にさしているのだが、脂と肉の味を楽しめるように、そして串から抜けにくくするため1番上には脂がくるよう構成し、細部まで心遣いを施している。

 満場一致パーフェクト合格でフィナーレを迎え、串カツ田中の意地を見せつけた。全体で8品が合格するという、当初の目標通りの結果になった

 開発部リーダーは「毎日、串カツのことを考えて、みなさんもそうだと思うんですけど、本当に串カツ1本、1種類の串カツに対してすごい想いを込めて開発してきて、大変うれしく思っています」と大粒の涙を流すと、その情熱が伝わった一流料理人たちの中には、もらい泣きをする人たちもいた。

大沢野八千代(ジャーナリスト)

大沢野八千代(ジャーナリスト)

1983生まれ。大手エンタメ企業、出版社で勤務後、ネットソリューション企業に転職。PR案件などを手掛けている。KALDIフリーク。

最終更新:2023/01/27 14:57

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