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「バチェロレッテ・ミニ」でパンサー菅が“恋愛トラウマ”を見せなかったプロ意識

視聴者が見たいのは、お笑いではなく人生観や恋愛観

 また、真実の愛を見つける為にゴージャスでロマンチックなデートを繰り広げるのが「バチェロレッテ・ジャパン」だが、ミニともなると男性陣がアピールできるのは基本的にトークのみ。ローズセレモニーも2回しかない。

 さらに、今回参加した男性は5人。基本的には俳優やタレントといった芸能関係の人しか出ていないが、その中で唯一の一般人はあの「バチェロレッテ・ジャパン」のシーズン1で、デート中の相手からバチェロレッテを奪うことが出来るストールンローズを使い、失敗し号泣していた姿が印象的だったノッキーこと榿澤涼太さん。

 トークのみで勝負するなら、普段トークで勝負している芸人が有利な気がしないでもないが、どうやらそんな雰囲気でもない。

 今回パンサーの菅さんに求められているものは、ボケやツッコミを駆使して笑いを起こすというより、芸人が真剣に恋愛に向き合いどういう結末を迎えるか。もちろん笑いをとってはいけないということではない。菅さんも芸人モード剥き出しではないにしろ、登場シーンでは「バチェロレッテ・ジャパン2」のマクファーさんのパロディをしたり、要所要所ツッコミで笑わせたりはしていたが、この番組はあくまでも恋愛リアリティーショー。視聴者が見たいのは菅良太郎のボケやツッコミではなく人生観や恋愛観なのである。

 もちろんそれを察している菅さんも、グループトークでは笑いを取るわけでは無く、真剣に自分の価値観を話していた。

 さて、番組も中盤に差し掛かり、バチェロレッテと菅さんのツーショットトークが行われた。その際に白川さんから何故、この番組に参加したのか聞かれたときに菅さんは「白川さんは恋愛の経験がない。僕は僕でトラウマみたいなことがある」と。そしてあろうことか「話せば長くなるので、もしローズを貰えたら話します」と言ってしまい、次の出演者へバトンタッチ。この短い時間で相手を決めるということは、白川さんにそのトラウマについて語った上で、判断してもらわなければいけなかっただろう。その証拠にその後のインタビューで「掴み切れない。積み重ねてきたものが違うから、パッと全てをさらけ出すのは難しいし」と、菅さんがなんとなく心を開いていないように捉えられてしまったのだ。

 白川さんが心の全てをオープンにしているかどうかはわからないが、間違いなく男性陣はある程度オープンにして白川さんの誠実さにぶつからなくてはいけなかった。しかも最年長であることを気にしてなのか、菅さんはほかの出演者に遠慮しているように見受けられる場面がいくつもあった。

 今回の番組で菅さんが何か深いものを抱えていること、そして人として他人を思いやるような優しさは垣間見えた。これが長い時間をかけて恋愛をする通常のバチェロレッテならば、それでも良かった。自分の人間性を知ってもらったうえで恋愛観を話したり、ある種、絆のようなものが出来てから自分の抱えている深い闇のような部分を相手にさらけ出して判断してもらったり。

 だが今回は1日限りの特別プログラム。絆があろうがなかろうが、自分が年上だろうが年下だろうが、アピール出来るところは全てアピールし、相手が欲している情報は全てさらけ出すべきだったろう。

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