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東野幸治は「芸能界の危険物処理班」渡部建を”笑い”に昇華した神業バランス

芸能界の「危険物処理班」に!?

 同チャンネルでは、自身の不祥事や相方のトラブルなどで何度も謝罪動画を出しているTKO・木下隆行を呼び出して「謝罪がなぁなぁになってきている」と検証するなど、東野らしい“意地の悪さ”が全開になった動画なども公開。こちらも下手すれば自身が炎上しかねないが、敵とも味方ともいえない絶妙な距離感によって彼にしかできない笑いに昇華している。

 この抜群のバランス感覚はテレビでも発揮され、司会を務める情報バラエティ番組『ワイドナショー』(フジテレビ系)では出演者たちのヒヤっとするような過激なコメントや暴走ぶりを上手にコントロールし、各方面に配慮しつつも無難すぎる展開にならないように場を制御している。

 無類のゴシップ好きで、仕事と無関係のプライベートでスキャンダルの当事者に会いに行くこともあるといい、そうした好奇心の強さとバランス感覚があるからこそ、渡部や木下のような「危険物」をあえてイジり倒し、笑いにするという芸当ができるのだろう。

 長年にわたって売れっ子として活躍しているのに、好感を持つ層が限定されていることから「CMゼロ」という稀有な存在でもあり、ラジオ番組を打診されたものの「スポンサーがつかなかった」との理由で流れたという逸話もある。

 「人間の感情がない」「白い悪魔」などとも称され、好感度は決して高くないのに笑いにおいては絶対的な信頼感があり、誰もまともに手を出せなかった渡部まで笑いに変えてしまった東野。芸人最高峰ともいえるバランス感覚によって、今後は芸能界における「危険物処理班」の側面を強めていくのかもしれない。

SNSや動画サイト、芸能、時事問題、事件など幅広いジャンルを手がけるフリーライター。雑誌へのレギュラー執筆から始まり、活動歴は15年以上にわたる。

さとうゆうま

最終更新:2022/09/28 21:00
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