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本多圭の『芸能界・古今・裏・レポート』

ビートたけしの新作映画めぐる“泥沼劇”、KADOKAWA会長逮捕でどうなる !?

ビートたけしの新作映画めぐる泥沼劇、KADOKAWA会長逮捕で暗礁にの画像1
ビートたけし(写真/gettyimages)

 東京五輪・パラリンピックを巡る汚職事件で贈賄容疑で逮捕された「KADOKAWA」会長の角川歴彦容疑者。大手出版社トップの逮捕にまで発展した五輪汚職に各所で波紋が広がっているが、この逮捕に大きなショックを受けているであろう1人が、新作映画『首』(仮題)をめぐってKADOKAWAとトラブルになっていたビートたけしこと北野武監督だろう。

 たけしの最新映画『首』は、2019年に自身が執筆した同名歴史小説を原作に、たけしが4年ぶりにメガホンを握るとあって注目を集めてきたものの、昨年10月にクランクアップして以降、いまだ完成せず、8月上旬には「週刊新潮」で、契約をめぐりたけし側とKADOKAWAとが対立状態にあり、作品がお蔵入りする可能性もあると報じられていた。

 「『週刊新潮』の報道を受け、たけしは『ポストセブン』で反論。《また俺と喧嘩している週刊誌が馬鹿な事を書いている》《『首』については、撮影当初からKADOKAWAに早く契約を結んでくれとお願いしていたんだけど、編集作業に入ってもまだ契約してくれないので、やむを得ず作業を止めた》などと自らの正当性を主張しましたが、映画関係者の間ではたけしを擁護するような声は挙がっていません」(映画関係者)

 事情を知る映画プロデューサーは、「契約書にサインしなかったのは、たけしサイドです」と証言する。

 「契約書の内容に不満を持ったたけしは、KADOKAWAに乗り込んで歴彦会長に直談判したんです。そこで、作品のクレジットから『製作総指揮 角川歴彦』を外すことでも本人から了承を得たのですが、にもかかわらず、契約書を持っていったまま、結局サインしなかったんです」(前同)

 それでも、KADOKAWAサイド、というより歴彦会長は『首』の完成を望んでいたという。

 「歴彦会長は、契約内容に関してたけしに一方的に悪者にされながらも、作品の完成を願い、契約書の提出期限をギリギリの8月31日にしていたそうです。あとはたけし側が契約書にサインするだけだったにもかかわらず、たけしはそれを無視したと聞いています。そんななか、最後まで北野映画の完成を持っていた会長が逮捕されてしまったんですから、たけしは複雑な心境だと思いますよ」(前出の映画プロデューサー)。

 他方、映画界からはこの契約トラブルに関して、真相を知りたい、という声が挙がっているという。

 「KADOKAWAは、毎年何本もの映画製作に携わっていますが、これまで今回のように契約で揉めたという話は聞いたことがありません。それだけに映画関係者はKADOKAWAから真相を聞きたがっています。KADOKAWA側も、たけしの一件で信用を失墜し、このままでは今後の映画製作に影響が出てしまうということで、社内では“真相を話すべきだ”という声も出ているそうです」(映画ライター)

 しかし、東京地検特捜部による家宅捜索であらゆる書類が押収され、たけし映画の契約関係書類もその中に入っていると見られている。

「たけし映画は歴彦案件になっていましたから、関係書類が押収されてしまうと、手の打ちようがありません」(前出の映画プロデューサー)

「週刊新潮」への反論では、《『首』は俺の最後の映画ではない。今、他の映画の準備をしている真っ最中だ》と豪語していたたけしだが、KADOKAWAと共に信用が失われたままでは、それも簡単ではなさそうだ。  

(文=本多 圭)

本多圭(ジャーナリスト)

芸能取材歴40年以上、タブー知らずのベテランジャーナリスト。主な著書に『 スキャンダルにまみれた芸能界のトンデモない奴ら』など。

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最終更新:2022/09/28 15:00
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