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多くの落語家が胸アツに!? 高座復帰の三遊亭円楽が語った「協会統一」の野望

文=本多圭(ほんだ・けい)

多くの落語家が胸アツに!? 高座復帰の三遊亭円楽が語った「協会統一」の野望の画像1
三遊亭円楽『「朝日名人会」ライヴシリーズ』より

 今年1月に脳梗塞を発症して入院した落語家・三遊亭円楽。5月に退院してからもリハビリ生活を続けていたが、ここに来て軽度の肺炎のため入院、その後の体調が心配されている。

 そんな円楽だが、去る8月11日、東京・国立演芸場で開幕した「8月中席」で高座に復帰した歳、生涯現役宣言をしたうえ、「協会を統一するんだよ」と語ったことで、東京・上方の落語界再統一の機運が高まっている。

 「円楽は、現在空席になっている三遊亭圓生襲名への執念をみせていましたから、復帰後も真っ先に襲名を口にするかと思ったら、落語界統一への思いを語った。『笑点』で司会を務めている春風亭昇太も、以前から統一を望んでいましたからね。円楽のひと言で落語界が動き出しますよ」(演芸評論家)

 円楽は、18年に初期の肺がんで手術を受けると、翌年には脳腫瘍で入院。その後、復帰したものの、今年1月に脳梗塞で入院したが、退院後、リハビリを続け、「8月中席」で高座復帰すると、マスコミの取材に応じ、今後の落語界に必要なものとして、現在、社会問題に発展している旧統一協会を皮肉って「統一協会」と応えた後、「(落語界を)協会を統一するんだよ」と決意を語ったのだ。

 ここで簡単に解説しておくと、もともと東京の噺家たちは、関東大震災の翌年に設立された「東京落語協会」に所属していたが、その後、独立して新協会を立ち上げる落語家たちが登場。1930年には、吉本興業が後ろ盾になり、6代目春風亭柳橋と柳家金語楼が「日本芸術協会」を設立したが、戦時下に入ると、当局の指導ですべての協会・噺家たちが「講談落語協会」に再統一された。

 「戦後、『講談落語協会』は解散し、戦前の『東京落語協会』と『日本芸術協会(元『落語芸術協会』)』に分かれた。ところが、1978年に『落語協会分裂騒動』が起きたのです」(前出の演芸評論家)

 「落語協会」で当時会長を務めていた5代目柳家小さんの運営方針に批判的だった前会長の6代目三遊亭圓生が新協会「落語三遊協会」の設立を宣言したのだ。

 「しかし、新協会設立は上手く行かず、結局、古今亭志ん朝はじめ、多くの噺家が『落語協会』へ復帰しました」(前同)

 そんななか、復帰を拒んだ5代目三遊亭圓楽は、1980年、自身の一門で新たに「大日本落語すみれ会」(現「円楽一門会」)を設立。さらに、1983年には、今度は立川談志が、やはり真打昇進試験をめぐって「落語協会」に反発し、脱退。自らが初代家元となって「立川流落語会」(現「落語立川流」)を立ち上げた。

 「つまり、東京の落語界には、現在、『落語協会』『落語芸術協会』『円楽一門会』『落語立川流』の4つの協会があります。それに関西の『上方落語協会』を入れれば、全体としては5つに分かれている状態です」(前同)

 協会統一を願っているのは、円楽だけではない。

 2016年には、「博多・天神落語まつり」の公開記者会見の場で、出席した三遊亭円楽、上方落語協会副会長の笑福亭鶴瓶が、落語会統一を訴えている。

 「会見で鶴瓶が、“全部統一したらええなと思いますよ。ずっとね、前から円楽の兄さんもよく言うてはりますけど、落語協会とか芸術協会とか、三遊亭とか立川とかそんなん関係なくですね。『統一したらどうや』というのをね”“(協会統一に)しがらみがある人間はほとんど死んではる“と語っています」(寄席関係者)

 さらに、国民的人気演芸番組『笑点』(日本テレビ系)の6代目司会者に就任した春風亭昇太も、落語会統一を願う一人だ。

 「『笑点』の6代目司会者に就任した直後、昇太は『落語芸術協会』会長にも就任しました。円楽と思いは同じくする昇太が就任したことで、周囲には期待が高まりましたが、ただ、東西の統一は簡単ではありません。そんななか、旗振り役の円楽が入退院を繰り返してたため、話は頓挫していたんです」(席亭関係者)

 一時は復帰を絶望視する声もあったが、先日、見事に高座復帰。「みっともなくてもいいから、死ぬまでやります」と涙ながらに決意表明した。

 「“昭和の大名人”と呼ばれた三遊亭圓生は、6代目以降、空席になっています。円楽の師匠である5代目三遊亭円楽さんが亡くなってから、襲名を巡り一門の間で三つ巴の争いがあったいわくつきの名跡です。それを円楽が、“襲名したい“と名乗りを上げていたので、復帰後はてっきり襲名の話を持ち出すかと思っていたら、私利私欲を捨て、落語界の統一を訴えた。感動しましたよ。多くの噺家が賛同するでしょう」(前出の演芸評論家)

 しかし、落語界の事情に詳しい別のマスコミ関係者は、「『落語立川流』は、一人ひとりが自立して自分たちだけでも食べていけます。落語界統一に賛同するとは思えません。他方、『上方落語会』も、東京の落語界とは一線を画してきましたから、今さら一緒なる必要性を感じるのか、疑問です」と懐疑的だ。

 円楽の決意表明で落語界再統一の動きは加速するのか? 今後の動向に注目したい。

(文=本多 圭)

本多圭(ほんだ・けい)

本多圭(ほんだ・けい)

芸能取材歴40年以上、タブー知らずのベテランジャーナリスト。主な著書に『 スキャンダルにまみれた芸能界のトンデモない奴ら』など。

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最終更新:2022/09/01 17:30

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