本多圭の『芸能界・古今・裏・レポート』

海老蔵、やっと團十郎襲名披露公演も… 歌舞伎界の重鎮が“異例の対応”か

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市川海老蔵(写真/Getty Imagesより)

 コロナ禍で長らく延期になっていた市川海老蔵の13代目市川團十郎白猿襲名披露公演。ようやく11月から年末まで東京・歌舞伎座で行われることになったが、ここにきて、人間国宝の尾上菊五郎が、襲名披露口上への出演に難色を示しているという。

 「梨園の頂点に立つ團十郎の襲名口上では、歌舞伎役者の重鎮が揃い踏みして、新たな門出に祝辞を述べるのが慣例になっていますが、この出演を自体する重鎮が続出しているのです。その筆頭が、人間国宝の尾上菊五郎です」(演芸評論家)

 表向きの理由は、“脚の状態が良くないから”とされているが、関係者の間では、海老蔵の不遜な言動が菊五郎の逆鱗に触れたのではないかと見られているという。

 「実は海老蔵は、19年1月の襲名披露会見でも、重鎮らの逆鱗に触れているんです」というのは、ある松竹関係者。

「襲名披露会見で海老蔵は、《私もこの度、團十郎襲名ということではございますが、やはり、父や祖父の足元にも及ばぬという気持ち。これからも精進して行こうという気持ちも含めまして、会社の方々とお話をして〝白い猿〟という方向でお願いします》と語ったのですが、これが“自分は歴代團十郎の中でも特別“と言っているように受け取られたのです」(同)

 会見での発言が波紋を呼ぶなか、今度は、相次いで女性問題が発覚。さらに、義姉でフリーアナウンサーの小林麻耶とのトラブルが重鎮らの怒りを買ったという。

 「コロナ禍にもかかわらず、昨年10月には2人の女性との密会が報じられたうえ、今年3月にはSNSでナンパした女性2人とのホテル密会が報じられた。歌舞伎界は女性問題に甘い傾向がありますが、時期が時期だけに、歌舞伎界のイメージダウンになると反感を買いました」(梨園関係者)

 義姉の小林からは、長期乳がんの闘病生活の末に亡くなった実妹・麻央さんに対して、「海老蔵が適切な治療を受けさせなかった」と告発され、謝罪に追い込まれた海老蔵。加えて、公演のギャラを巡って、松竹との関係も悪化し、襲名披露興行が危ぶまれていた。

 「しかし、5月の團菊祭を成功させたことで、松竹との関係も修復しました。ところが、團菊祭の取材会を海老蔵が欠席。そこで、菊五郎が、“年内にも海老蔵が襲名興行を行う“とメディアに漏らしたんです。リップサービスと言われていましたが、年内にやるのに口上を予定されている重鎮らが知らないのはマズいと考えたからです」(前出の梨園関係者)

 もっとも、菊五郎自身は早くから“襲名披露口上には出ない“と決めていたようだという。

 「菊五郎は、海老蔵が東京五輪の開会式への出演を優先して、去年5月の團菊祭を中止にしたことから、“歌舞伎を舐めている”と感じていたそうです。その頃から、襲名披露口上には“出ない“と決めていたようです」(前同)

 襲名興行まであと約1カ月半。重鎮の中で口上が決まっているのは松本白鸚一人だという寂しさだが、そもそも、海老蔵が13代目市川團十郎に相応しいのか? 疑問に感じるのは、重鎮らだけではなさそうだ。

(文=本多 圭)

本多圭(ジャーナリスト)

芸能取材歴40年以上、タブー知らずのベテランジャーナリスト。主な著書に『 スキャンダルにまみれた芸能界のトンデモない奴ら』など。

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最終更新:2022/10/04 15:00
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