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野沢直子、発想と生き方がパンクすぎる彼女の今も残る“系譜”

今も残る“野沢直子からの系譜”

 91年に渡米した野沢。後に、ピースの綾部祐二や渡辺直美もアメリカに拠点を移したが、野沢とはかなり意味が違う気がする。そもそも、当時は今ほどニューヨークが近い存在ではなかった。ネット検索で海外の状況がキャッチできる時代ではないし、「ニューヨークへ行きたいか!」のシュプレヒコールを連呼する『アメリカ横断ウルトラクイズ』(日本テレビ系)もまだ放送されていた。

 後に、『夢逢え』メンバーはニューヨークに野沢に会いに行く企画を敢行。現地で浜田雅功と内村光良は、明らかにラリっているチンピラみたいな男と遭遇した。見るからに2人はびびりまくったが、実はそのチンピラ男は野沢が結婚した「ボブ」(ボブ・オークライヤー)だったという事実である。このサプライズは、他人事ながら視聴者の側も怖かった。

 しかも、ボブと会って数日後にいきなり体を交わし、その際、避妊をしなかったというのだから、野沢はやはりぶっ飛んでいる。その話を野沢から聞き、「なんで、(避妊しなくて)いいんだよ! バカじゃねえか!?」と内村がエキサイトした姿は、今も記憶の中に鮮明だ。

 基本的に、野沢は発想と生き方がパンクなのだろう。でも、平成期の女性芸人にとっては「こう振る舞えばいいのか」というモデルになった感がある。そういう意味で、後に与えた影響は明らかに山田邦子より強かった。“野沢直子からの系譜”は、今も残っていると思うのだ。

寺西ジャジューカ(芸能・テレビウォッチャー)

1978年生まれ。得意分野は、芸能、音楽、格闘技、(昔の)プロレス系。『証言UWF』(宝島社)に執筆。

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最終更新:2022/10/19 06:00
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