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『ゴッドタン』の愛すべき“らしさ”を甦らせた、フジモンVSみなみかわ「転機はヘキサゴンです」

番組総出で藤本を煽りにいく『ゴッドタン』

 最後に、みなみかわは最も相談したい悩み事を藤本にぶつけた。みなみかわの妻・雅代さんが、松竹に無断で夫の出演交渉を行っているのは有名な話だ。今まで、東野幸治や千原ジュニア、佐久間宣行らにSNSのDMを通じてアプローチしてきたと聞く。

みなみかわ 「奥さんが仕事を取ってきたりするんです。結構、暴走気味っていうか。その、“暴走している奥さん”を止めるにはどうしたらいいですか? 慣れてらっしゃるじゃないですか」

藤本 「止められへんかったんや……」

 ちゃんと、トドメを刺しにきたみなみかわ。番組総出で藤本を攻めにいく、『ゴッドタン』の煽りスキルは非情だ。

 今回は、『ゴッドタン』における実質的な“フジモン回”。本当に面白かった。そして、みなみかわという芸人の腕が素晴らしい。『ゴッドタン』のみなみかわ回はいつも面白いし、この番組でみなみかわがスベっているのは見たことがない。今後も、『ゴッドタン』にはみなみかわ企画を定期的にやり続けてほしいと願うばかりだ。

 記事冒頭で「“お笑い愛”を語る風潮は、今のバラエティの本流」と、筆者は述べた。そのまた一方で、みなみかわ、相席スタート・山添寛、永野らが身にまとう“ダークヒーロー感”もトレンドの1つだと思うのだ。

 こんなふうにネチネチ相手を攻め続けるだけで、どうしてみなみかわはこんなに面白いのか? “松竹破壊”、“暴走妻”をフックにはしているものの、それらはもはや関係ない。今は、シンプルにみなみかわが売れている状態である。

 去り際の「見とけよ、これからの俺を!」という藤本の捨て台詞が、またカッコよかった。「相談相手オーディション」という形式ながら、MCバトルみたいで目が離せなかったのだ。やはり、この番組は殴り合ってこそである。

「設定」と「即興の雰囲気としゃべり」で作り上げていく、あの頃夢中で見ていた初期『ゴッドタン』の匂いが、確かにした。

 

寺西ジャジューカ(芸能・テレビウォッチャー)

1978年生まれ。得意分野は、芸能、音楽、格闘技、(昔の)プロレス系。『証言UWF』(宝島社)に執筆。

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てらにしじゃじゅーか

最終更新:2022/11/08 20:00
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