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今週の『金曜ロードショー』を楽しむための基礎知識㉟

映画版の『あな番』過剰演技にわざとらしい伏線… 不可解演出だらけ!

映画版『あな番』意味のなさを象徴する三つの目を疑うシーン

 意味のなさを象徴する点が三つある。一つ目は真犯人が判明する場面。普通のミステリーなら物的証拠なり、状況証拠なりを積み上げて犯人像を特定するところが、この映画にそんなものは……ない!

 突然、この世には存在しないアイテムが出てきて、偶然により真犯人が判明するのだ。それはあえてミステリーの不文律を破った掟破り、とかいう類の話ではない。卑怯、ずるい、インチキといったレベルの話だ。考察勢のみなさんが一生懸命推理力を発揮しても無意味。こんなものを推理、考察することは不可能だから。

 二つ目は最初の犠牲者についてである。その犠牲者はなぜ殺されたのか、誰が殺したのかもわからないまま放置され、明らかにされないまま映画は終わってしまう。あえて説明しなかったとかいうことではない。ひょっとして、何も考えていなかったのでは……。

 最大の謎はある人物の死体がマストの鉄塔部分に磔のようにされるところ、あんな高いところにどうやって死体を括りつけたのか? 人力で? そんなことをする必要は? この謎もまったく明らかにされない。

 テレビ版では深まる謎を巡って毎週のようにSNSで考察する人々が大賑わいだったそうですが、映画版を見る限り枯葉も山の賑わいといったところだ。従来のテレビシリーズのファンの人はそれぞれ登場人物の賑やかしがあって、楽しめるのでしょうが、ミステリーを楽しもうと思っている観客には実に肩透かし。

 筆者にはまったく理解不能な謎だらけでした……。お願いだからどういうことだったのか教えてください。秋元さん、あなたの番ですよ!

 

 

しばりやトーマス(映画ライター)

関西を中心に活動するフリーの映画面白コメンテイター。どうでもいい時事ネタを収集する企画「地下ニュースグランプリ」主催。

Twitter:@sivariyathomas

しばりやとーます

最終更新:2022/11/18 19:00
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