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『クロサギ』平野紫耀“黒崎”の復讐は終わらず…佐々木蔵之介“宝条”が真の敵か

『クロサギ』平野紫耀“黒崎”の復讐は終わらず…佐々木蔵之介“宝条”が真の敵かの画像
Paravi配信ページより

 King & Prince・平野紫耀が主演するTBS系金曜ドラマ『クロサギ』の第5話が11月18日に放送された。父親が遭った詐欺によって家族を失い、「詐欺師を騙す詐欺師=クロサギ」となった黒崎高志郎(平野紫耀)の物語は、第4話で黒崎一家崩壊の元凶である大物詐欺師・御木本(坂東彌十郎)と直接対決を見せ、第5話では舞台を上海に移しての“最終決戦”となった。

 第4話ラストで、詐欺師界のフィクサー的存在である桂木敏夫(三浦友和)を裏切り、上海に逃げた御木本。桂木の許可を得て御木本を喰うことになった黒崎も、後を追って上海へ向かう。桂木の手下・早瀬かの子(中村ゆり)が現地案内人となり、黒崎は早瀬の力を借りて御木本を追い詰めていく。

 御木本は、日本での大規模なM&A詐欺のために、通称「レッド・ドラゴン」と呼ばれる上海のマフィアから大金を借りており、その利息は50億円にものぼった。黒崎によってM&A詐欺を阻止され、さらに12億円を奪われた御木本は、追い詰められたあまり、上海で桂木の名前を使って詐欺を行い、上海の有力者から20億円をだまし取っていた。しかしそれでは50億に満たない。御木本は闇社会の男・李(テット・ワダ)に接近し、上海でさらなる詐欺を働くため100億円の融資を求め、交渉していた。

 御木本に騙された上海の有力者も、御木本から詐欺話を持ちかけられた李も、「桂木先生」の名前を聞いて御木本を信頼した。裏社会における桂木の存在感の大きさがさらりと明らかになった場面だ。そして黒崎もまた、「桂木先生」の名前のおかげで李を事前に味方につけることに成功した。黒崎の指示で、李は100億を融資する代わりに20億の「見せ金」を事前に銀行に入金しておくよう条件をつけ、焦っていた御木本はその20億をだまし取られてしまう。さらに、急きょ用事のできた御木本の代わりに腹心・垣根(金井勇太)が偽の預金証書を受け取り、レッド・ドラゴンに渡すが、預金証書がニセモノだと気づいたレッド・ドラゴンのボスは御木本に騙されたと激怒。垣根はその場で殺され、御木本は5日以内に利息の50億円をもってこいと要求される。

 御木本ではなく垣根が犠牲になったのは、桂木の策謀だった。黒崎の計画を事前に聞いていた桂木は、早瀬をつかって御木本を呼び出し、御木本がレッド・ドラゴンと直接顔を合わせないよう仕組んだのだ。桂木の狙いは、レッド・ドラゴンと敵対しているマフィア組織「キング・タイガー」との“仲直り”だった。レッド・ドラゴンを怒らせた御木本がキング・タイガーのもとに駆け込むことを見越し、御木本を利用してキング・タイガーとの関係を修復し、新たなマネーロンダリングのルートを開拓しようと最初から企んでいたのだ。桂木の狙いを見破った黒崎は、この騙し合いの中で垣根が殺されたことに心を痛め、「人が一人巻き込まれて死んでんだよ。あんたらは、命を詐欺の道具だとでも思ってんのか? 金のためなら何でもするのかよ!」と怒りを露わにする。だが桂木は平然と「御木本なら死んでもいいのか?」と言い返し、黒崎に、御木本がレッド・ドラゴンから踏み倒した50億円の回収と、キング・タイガーとの関係修復を実現するよう命じるのだった。

 複雑な心境の黒崎だが、桂木からの命令を粛々と実行する。御木本がキング・タイガーに近づくために協力した王(朝井大智)を事前に協力者として引き込み、黒崎は見事、御木本から50億を奪う。さらに御木本が密かに上海警察に売り飛ばそうとしているとでっちあげてキング・タイガー側の信頼を勝ち取り、桂木とキング・タイガーの関係改善にもひと役買った。

 御木本を完全に敗北させた黒崎。もうあとがないと逃亡を図る御木本のもとを訪れた黒崎は、負けを認めろと復讐心をぶつけるが、御木本は淡々と「お前がこんな手段で私を破滅させたのは、父親の無念を晴らすためじゃない。桂木のためだ」「父親を失ったお前を桂木が拾って、教えて、育てた。桂木は今のお前の父親だよ」と黒崎に指摘する。激高した黒崎は「お前はここで終わりだ」と宣言。だが、御木本は「それでも、お前の復讐は終わりじゃないけどな。お前の敵(かたき)は俺で終わりじゃない」と微笑む。のんびりと葉巻をくゆらせ、机に置いた拳銃で自分を殺せと迫る御木本。だが黒崎は、拳銃ではなく、垣根の遺品である眼鏡を手に取り、「俺は……人は殺さない」と言い捨てて部屋を去った。家族の命を奪われた過去があるだけに、世の悪を喰っても命は奪わない、“復讐者・クロサギ”としての矜持が感じられた場面だった。

 だが黒崎の中でも、何も終わらなかった。雨が降りしきる中、かつての家族のだんらんを振り返るながら号泣する黒崎。部屋を出たあとには、御木本が自らの頭に対して引き金を引いた銃声が響いた。はたしてこれでよかったのか。そんな虚しさが黒崎の中に広がっていたのかもしれない。

 第5話で黒崎の“宿敵”と見られた御木本がついに退場し、第6話は第2章の開幕となりそうだ。新章のキーマンは、やはり佐々木蔵之介演じる銀行員・宝条兼人だろう。桂木とは長い関係のようで、名刺には執行役員と記されていた。御木本が逃亡しようと日本の銀行に移した50億円も、宝条によって回収されてしまった。桂木側の人間であることは間違いない。

 さらに気になるのは、氷柱(黒島結菜)が通う政和大学法学部の助教・鷹宮輝(時任勇気)だ。鷹宮は氷柱に想いを寄せており、黒崎を気にする氷柱に「本当に仲がいいんだね」と寂しそうに語るその目は、狂気をはらんでいるようにも見えたが、第5話では宝条の甥にあたることが明らかになった。氷柱は桂木にも目を付けられているだけに、黒崎の弱点として桂木=宝条サイドに利用される可能性もある。

 そして第5話では、桂木の闇社会での存在感の大きさが底知れないことと同時に、黒崎一家を破滅に追い込んだ“敵”は御木本だけではないことが示唆された。それは宝条なのか、あるいは桂木なのか。まだまだ続きそうな黒崎の復讐劇はどのような完結を迎えるのか。今夜放送の第6話の展開を見守りたい。

■番組情報
金曜ドラマ『クロサギ
TBS系毎週金曜22時~
出演:平野紫耀、黒島結菜、井之脇海、中村ゆり、宇野祥平、時任勇気、山本耕史、坂東彌十郎、船越英一郎、三浦友和 ほか
原作:黒丸・夏原武(原案)『クロサギ』シリーズ(小学館刊)
脚本:篠﨑絵里子
音楽:木村秀彬
主題歌:King & Prince「ツキヨミ」
プロデューサー:武田梓、那須田淳
演出:田中健太、石井康晴、平野俊一
製作著作:TBS
公式サイト:tbs.co.jp/kurosagi_tbs

東海林かな(ドラマライター)

福岡生まれ、福岡育ちのライター。純文学小説から少年マンガまで、とにかく二次元の物語が好き。趣味は、休日にドラマを一気見して原作と実写化を比べること。感情移入がひどく、ドラマ鑑賞中は登場人物以上に怒ったり泣いたりする。

しょうじかな

最終更新:2022/11/25 12:00
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