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中山秀征、松本明子、飯島直子『DAISUKI!』また復活で“高齢者向け”に振り切る?

中山秀征、松本明子、飯島直子『DAISUKI!』また復活で高齢者向けに振り切る?の画像1
『DAISUKI!2023冬』(BS日テレ)

ぬるい深夜番組の見本だった『DAISUKI!』の特異性

 2月17日、BS日テレにて『DAISUKI!2023冬』が放送された。昨年7月、1991年から9年間放送された深夜番組『DAISUKI!』(日本テレビ系)が22年ぶりに復活して話題を呼んだが、今回はその第2弾である。

 復活第1弾が好評だっただけに、制作側も強気の姿勢を崩さない。BS日テレの公式YouTubeを見ると、自分たちで堂々と「伝説の深夜番組が再復活!」と高らかに謳っているのだ。

『DAISUKI!』を伝説の存在にされてしまうと、少々反応に困ってしまう。この番組が放送されていたのは、90年代の土曜深夜12時からだった(94年からは12時25分~に移行)。当時の深夜、我々はテレビを見るかレンタルビデオを借りてくるくらいしかやることがなかった。

 つまり、なんとなくテレビをつけっぱなしにし、それが結果的に高視聴率(平均世帯視聴率14.7%)につながっていたのが『DAISUKI!』だったと思うのだ。なんとなく惰性でチャンネルを合わせているが、決して録画まではしない。ぬるい深夜番組の見本みたいな内容だが、それだけに見やすくもあった。

 よく考えると、レギュラーを務める3人(中山秀征、松本明子、飯島直子)の組み合わせも興味深い。男性1人に女性2人という組み合わせだ。パッと見、中山がうらやましい印象を受ける。しかしその実態は、中山と松本が飯島のご機嫌を損ねないようアテンドするという関係性だった。真面目な松本と不良の飯島が良好な仲を維持できた秘密は、そこにあったと思うのだ。つまり、3人の街歩き番組としては、高田純次、大竹まこと、渡辺正行による『あんたにグラッツェ!』(日本テレビ系)とは明らかに別種の方向性にある。

 加えて、パチンコ企画やオートレース企画、宝くじ企画など、大人のカジュアルな遊びを反映した内容でもあった。だからこそ、当時20代の深夜族にとって、毒もなく気楽に見られる格好の番組でもあったわけだ。

 あと、当時は朝から真夜中までテレビが楽しくて面白い時代だった。この頃の筆者の土曜日の黄金コースは、『THE夜もヒッパレ』(日本テレビ系)→『恋のから騒ぎ』(日本テレビ系)→『DAISUKI!』(日本テレビ系)→『COUNT DOWN TV』(TBS系)→『ギルガメッシュないと』(テレビ東京系)という流れである。夕方には、『TVおじゃマンボウ』(日本テレビ系)も放送されていたし、特に土曜は中山が出ずっぱりだった記憶だ。

 時代の徒花だった『DAISUKI!』が、また復活する。舞台は、BS日テレ。BSを好んで視聴する年代と合致するくらい、『DAISUKI!』直撃世代も高齢化したということだろう。

“老い”と“時代の移り変わり”を痛感する

 番組が始まると、雪景色を背景にオープニングトークを始める3人。昨夏の復活第1弾では、それぞれの立ち位置に極端なソーシャルディスタンスが取られていたが、今回は3人の距離が近い。やはり、『DAISUKI!』の絵面はこれである。

松本 「せ~の」

飯島 「(松本と同時に)ダイス……」

 タイトルコールのタイミングがまったく合わない3人。タイトルコールだけで2回も失敗を重ね(計TAKE3)、5分も尺を使ってしまっている。でも、昔からこんなグダつきだったし、決してブランクのせいじゃない。別に、老いが理由でもない。相変わらずのゆるさだ。

 これだけ変わらない3人もめずらしい。全員、それなりに老けてはいるが、雰囲気は変わっていない。ただ、あの頃より若干のよそよそしさを感じなくもない。あと、特に中山と松本のシワが増えた。きっと、これは幸せジワだ。そして、飯島が54歳という驚き。「冗談も大概にしろ」と思ったが、事実である。というか、3人全員が芸能界で生き残っているという現状もすごい。

 今回の『DAISUKI!』のコンセプトは、“真冬の新潟ぶらり旅”らしい。旅のスタートは、マニアックに寺泊魚の市場通り(新鮮な日本海の幸が味わえるお店が並ぶ通り)からだった。

 このときに痛感したのは、やはり3人の老いだ。牡蠣を購入し、店員からタバスコをかける食べ方をオススメされた3人は、素直にそれを実践した。

飯島 「ゴホッ、ゴホッ!」

中山 「入れすぎました(笑)?」

 年を取ると、むせやすくなるものである。さらに、3人が盛り上がったのは老眼トークだった。

松本 「近視で老眼です」

中山 「近くが見えて、遠くが見えない。ところが、寄りすぎはもっと見えないですから。俺ら、コンタクトを入れると、遠くは見えるんだけど近くが見えなくなる」

松本 「裸眼だと、近くは見えるけど遠くは見えない」

中山 「スタジオなんか、地獄ですよ。カンペに合わせると、手元が見えない。で、手元に合わせるとカンペが見えない。だから、ほとんど俺は見えてないんです。だいたい、勘でいってる」

 今や、3人とも老眼世代。つくづく、歳を重ねたものだ。22年も経ったのだから、当然といえば当然か。

 さらに、気になったのは以下のくだりだ。

スタッフ 「ただで食べるわけにはいかないので」

中山 「そうだね。お金を払わないと。俺ら、今まで(支払いを)スルーしちゃってきてるけど」

 牡蠣を食べたからお金を払うシーンを入れないと、クレームを入れる視聴者がいるのだろう。忌憚なく言えば、面倒くさい時代になった。『DAISUKI!』の復活によって3人の老いを感じたし、時代の移り変わりも感じた。

 変わらないこともある。誰がしゃべっても色付きのテロップが出ないし、画面端にはワイプの小窓もない。過度なBGMやSEも付け足されない。現代のテレビの方程式に則っていないのだ。それが逆に、番組の見やすさを生んでいる。

飯島 「もう、このまま帰ってもいいくらいですよね」

中山 「もう、尺的にはいいですよ。今どき、こんな回す番組ないからね。若手なんか『次、行きますー』って、すぐ移動しちゃう。早いね、今は」

松本 「『DAISUKI!』は、1日10時間くらい撮ってましたもん」

中山 「バカげてるね(笑)」

飯島 「本当に。どうかしてますよ(笑)」

中山 「どうかしてたね(笑)。あの名残りがまだ体質に残ってるじゃん」

 1時間番組のために10時間回す、『DAISUKI!』のゆるさと狂気。今も3人は、その体質から抜け出せずにいる。

松本 「(今回は)オープニングで30分くらいしゃべってましたからね」

中山 「やりすぎましたね、オープニングね」

飯島 「そうですよ、やりすぎですよ」

中山 「本当だよね、あんなにやる奴いないよね。使わねーし(笑)」

 その後、ワゴンで移動する3人。改めて、中山が仕切り直した。

「いやいや、始まりましたね」(中山)

 番組が始まって30分経ったのに、ようやく「始まりましたね」である。市場だけで30分かける『DAISUKI!』。たしかに、どうかしている。

かつては最先端だった3人が「Instagram、難しい」

 車中トークのテーマは、最近の飯島の生活ぶりだった。

中山 「直ちゃんが、ついにInstagramを始めました」

松本 「だって今までは、(飯島に)LINEもつながらなかったんですよ」

中山 「ショートメール1本でしたから」

飯島 「でも、別に事足りてましたよね」

中山 「(飯島のInstagramは)連日、朝飯のメニューばかりで。『今日は何食った?』って、大変な話題ですから(笑)」

 彼女のInstagram(@naoko_iijima_705_official)を覗きに行くと、本当に朝飯ばかりなのだ。しかも、ごはんに納豆をぶっかけただけだったり、インスタントの担々麺の画像も紛れ込んでおり、逆に好感を持ってしまった。このまま、妙なインスタ沼に染まらないでほしいと願うばかりだ。

松本 「(Instagramを)勉強したんですねぇ。偉いねえ」

飯島 「(やり方を)覚えるまでは1日に2回出してるんですよ。上げ方を忘れちゃうんですよ。結構、コメントをくれるじゃないですか。それを見れないときもあるんです」

中山 「どういうことですか、見れないって?」

飯島 「私が聞いてるんですよ、それを今。私が聞いてるの、今! 見れないときがあるんです。本当に見れないんですよー。不思議。Instagramの闇ですね、あれ」

 単純に、自分でコメントをOFFにしているだけじゃないのか? あと、3人の会話が相変わらず、キャッチボールではなく“会話のラグビー”になっている。

中山 「(Instagramは)甘いもんじゃないですか?」

飯島 「甘いもんじゃないですよ、全然」

 22年前はたしかに最先端にいたはずの面々が、今では「Instagram、難しい」とこぼしているのが面白い。

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