「瓜田純士のカレンダーにひと言言いたい！」瓜田のソウルメイト・原田龍二が突撃してきたワケ

 “職業、キング・オブ・アウトロー”こと、瓜田純士が世に出した日めくりカレンダー『関係ねぇよ』（サイゾー刊）。そこには、地獄を見てきた彼にしか紡げない31の言葉が刻まれている。そんな唯一無二の瓜田カレンダーに「言いたいことがある！」と、編集部に対談を申し出てきたのが、“職業、ニンゲン”として活躍する俳優・原田龍二だ。3年前に本サイトの対談企画で出会って以来、お互いのYou Tubeに出演するなど、魂の兄弟として親交を深めてきた。そんなふたりが、言葉が持つ“特別な力”について語り合う――。

「妻に指摘されて、その通りだったから驚いたよ」

原田龍二（以下、原田）　（瓜田）純士くん、今日は会えるのを楽しみにしていたよ！　

瓜田純士（以下、瓜田）　僕もですよ！　日めくりカレンダーを作ってる最中から「（原田）龍二さんと対談したい」と思っていたので、実現してうれしいです。龍二さんは日めくりカレンダーの先輩ですからね。

原田　僕がカレンダーを出したのは2020年の冬だから、もう3年前か。ちょうど純士くんと初めて会えた頃に出したんだよ。

瓜田　もうそんなに経ちますか。何枚めくっても、龍二さんの日めくりカレンダーは振り切れてますよね。ちなみに、僕のカレンダーの担当編集も、原田さんの作品に感化されちゃって「瓜田さんも何ページか裸になりましょう！」と提案してくれたんですけど「俺の裸は彫り物が多すぎて『実話ドキュメント』【編注：毎号刺青ヌード写真を掲載していた竹書房発行の実話誌】になっちゃうからやめましょう」と言って、丁重にお断りました（笑）

原田　あはは！　僕のYouTubeでは、一緒に全裸で銭湯に入ってくれたよね。普通なら入ってもらえない、というか僕が逆の立場だったらやらないと思うけど、一肌脱いでくれてうれしかったな。

瓜田　龍二さんも僕も、おもしろいものが好きじゃないですか。笑うポイントも同じだし、僕たちふたりが銭湯の湯船に浸かってる絵面って、絶対におもしろいと思ったんですよね。誰も見たことがない景色を自分自身が見たかったので、初の風呂ロケでしたが、二つ返事でお受けしました。

原田　そうそう、せっかくなら人生はおもしろいほうがいいよね。純士くんと僕は、生きてきた時代も、歩んできた道もまったく違うけど、心根の部分がリンクしてる。絆とか、友情とか、そんな陳腐な言葉では表現できない関係性だよ。
　そんな純士くんのカレンダーにひと言言いたい。実は、カレンダーのタイトル『関係ねぇよ』なんだけど、僕の口癖なんだよね。

瓜田　え！そうなんすか!?

原田　妻に「あなたもよく『関係ねぇよ』って言ってるよね」と指摘されて、その通りだったから本当に驚いたよ（笑）。

瓜田　まさかそんな偶然が……！　その言葉は、僕も一番好きな言葉なんです。暴力団時代に「関係ねぇよ」が口癖の先輩がいて、僕がヘマをして生きるか死ぬかっていう極限の状況にあるときに「トラブった？　瓜田、関係ねぇ。関係ねぇよ」って言ってもらえて、すごく気持ちが楽になったんですよね。
　言葉だけ見ると、突き放す印象を受けるけど、その先輩からの言葉は「俺はずっとここにいるから大丈夫。お前の好きなようにしちまえよ」っていうもう一つの意味を感じたんですよね。

原田　真言みたいだよね。悪い邪気を吹き飛ばす、魔法の言葉ですよ。

瓜田　そうですよね！　本当に「関係ねぇよ」の境地に行き着くまでは、めちゃくちゃ悩むんです。たとえば、僕が懲役に行く前に、組長から「お前、懲役くらいで極道をやめる気か？」とか、いろいろ言われて、ここでやめたら腰抜けになるし、出所後も続けるしかないのか、でも、母親のためにもカタギに戻りたいとか、悩んでるあいだに刑務所に入った。服役中も、円形脱毛症になるくらい悩んで、考えて、自問して……いざ出所して組に顔を出すと、案の定、組長にキツイことを言われて、その瞬間に「関係ねぇよ」のスイッチが入ったんです。

原田　おお！

瓜田　一度「関係ねぇよ」モードに入ると、2000人近くいる広域指定暴力団がまったく怖くなくなったんです。実際に「関係ねぇよ」って口から出てました。あのときにすべてまくれたからこそ今の自分がいるので、大切にしている言葉でもあります。

原田　純士くんにとって、覚悟の言葉なんだね。半端じゃない人生を歩んできた純士くんの言葉だからこそ、響いてくる。言葉はその内容よりも“誰が言うか”がもっとも重要だから、タイトルに限らず、そのカレンダーに書かれた31の言葉は、すべて魔法の言葉になるよ。