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『シッコウ!!』好評なのは織田裕二だけで…懸念される「主演」伊藤沙莉の朝ドラ

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TELASA配信ページより

 伊藤沙莉にとってゴールデン帯連続ドラマ初主演作となる『シッコウ!!~犬と私と執行官~』(テレビ朝日系)が失速している。

 『シッコウ!!』は初回9.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録。テレビ朝日の火曜21時枠は昨年10月期に新設(36年ぶりの復活)されたばかりで、前期の『unknown』は世帯視聴率の全話平均6.2%、最終話も7.0%だったことを考えると、好発進といえる数字だ。以降も、8.7%、9.2%と推移してきたが、第4話で7.5%と1.7ポイントダウンを見せることになってしまった。

「テレ朝のゴールデン帯ドラマは、『世界水泳福岡2023』の中継により1週間放送休止を余儀なくされました。その影響なのか、固定層がついている『刑事7人』は前々週の数字をキープしたものの、中村倫也の木曜ドラマ『ハヤブサ消防団』も第2話9.4%から第3話7.5%に下落。『世界水泳』自体盛り上がらず、PR要員として橋本環奈らを投入しても最高で7.8%、最低で5.9%と視聴率も全然取れなかったことから、ドラマを休止してまで放送する必要があったのかと疑問視する声も出ていますね」(テレビ誌記者)

 しかし『ハヤブサ消防団』と大きく違うのは、見逃し配信のTVerで伸び悩んでいることだという。

「もともとテレ朝ドラマは世帯視聴率は強いものの、TVerでは弱い。ですが、今期ナンバーワンに推す声も多い『ハヤブサ消防団』はお気に入り登録者数が89万人ほど(8日0時時点)で、『トリリオンゲーム』(TBS系)をまもなく抜き去って今期5位に躍り出そうな勢いで、TVer再生数ランキングでも配信翌日には総合1位を取るなど人気。一方、『シッコウ!!』はお気に入り登録者数63万ほどで、今期ドラマ10位といまひとつ。TVer再生数ランキングでも、1位はおろか、総合でトップ3入りすることもなくなるなど、勢いは落ちています。TVerが弱いのはテレ朝ドラマではよくあることですが、そこで視聴率も落ち始めているのは気になるところですね」(同)

 『シッコウ!!』は裁判所職員の「執行官」にスポットを当てた作品で、小川潤平氏の『執行官物語』(文芸社)を原案に、ベテラン脚本家の大森美香氏がオリジナルで描くリーガルエンターテインメントとなっている。伊藤演じる主人公・吉野ひかりは憧れだったペット関連の仕事に就くも、務めていた会社が借金を返さずに強制執行されてしまい、社長が夜逃げしてしまったことでひかりは無職に。犬が苦手な執行官の小原樹(織田裕二)は、“犬対策”としてひかりに執行補助者の仕事を持ちかけ……というところから始まるストーリーだ。

「国家公務員ながら給料は歩合制だったり、今年4月まで女性の執行官がひとりも存在しなかったなど、なじみのない執行官という職業について学びも多いお仕事ドラマですが、“債務者にも事情がある”というストーリー展開が多く、スカっと解決というのがない。特に、介護離職で追い詰められた第3話の債務者以外は、ウソをつく、夜逃げする、わざと小銭で支払う、悪態をつくなど問題行動が多いため、同情的なストーリー展開が毎度繰り返されることにモヤモヤしたりイライラする視聴者も多いようです。また、事務員としてSexy Zoneの中島健人が出演していますが、メインビジュアルにも中島が大きく映っているようにメインキャストと思われたものの、今のところ出番があまりないのも中島ファンからは不評のようです」(同)

 それでも“脇”に回った織田裕二の評判は上々だ。

「コメディ演技でもしっかり魅せつつ、執行官という仕事について真摯に取り組む姿もあり、『やっぱりいい俳優だ』と再評価する声も多いですね。しかも、伊藤沙莉の存在感が薄いため、完全に織田が食っている形。もっとも、主人公のひかりは第4話終盤でようやく正式に執行補助者として契約し、それまでは臨時で補助者になったりならなかったりと“外野”の存在だったため、執行官である織田のほうが目立ったのは仕方ないといえば仕方ないのですが……『織田裕二って主演じゃないの?』『伊藤沙莉より織田裕二のほうが主演っぽい』という声が出る始末です」(芸能記者)

 さらに伊藤には、あの問題点が改めてクローズアップされている。

「以前から特徴的なハスキー声が民放ドラマの主演向きではないのでは?と言われていましたが、今回の役どころは、いきなり無職になったり、強制執行の現場で驚いたり執行官に口出ししたりするなど、感情的になる場面が多いこともあってか、余計に声が掠れて聞こえたようで、『こんなに声ガサガサだったっけ?』『主役のセリフが一番聞き取りづらい』といった声が上がってしまっています。落ち着いたトーンで話すぶんには目立たないのですが、テンション高めに張り上げたり、長ゼリフだと気になってしまう人が少なくないようですね。そのため、主演を務める来年のNHK朝ドラ『虎に翼』について早くも不安の声が出始めています。伊藤演じるトラコは、日本初の女性弁護士となった人物をモデルとしており、この手のリーガルものは長ゼリフが多い傾向にありますし、『世間知らずで自信家』『全てに全力の人』という人物像も、“やかましい”キャラクターになることが懸念されます」(同)

 伊藤にとっては『シッコウ!!』『虎に翼』と「リーガルエンターテインメント」続きとなるが、はたしてどちらも成功を収めることができるだろうか。

宇原翼(ライター)

雑誌、ウェブメディアの編集を経て、現在はエンタメ系ライター。

うはらつばさ

最終更新:2023/08/08 12:00
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