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パンサー尾形、『アンタッチャブるTV』の“尾形軍団”で新境地開拓 社会派の世直し系芸人として高評価

パンサー尾形、『アンタッチャブるTV』の尾形軍団で新境地開拓 社会派の世直し系芸人として高評価の画像1
フジテレビ『ひらけ!パンドラの箱 アンタッチャブるTV』公式X(旧Twitter)より

 9月19日のフジテレビ系バラエティー番組『ひらけ!パンドラの箱 アンタッチャブるTV』にて、「尾形軍団!秋の違法行為取り締まりSP!」という企画が放送され、好評を博している。

 世の中の“触れちゃいけなそうなもの”や“調べても大丈夫?”と思われるものを、調査するという同番組。“尾形軍団”の企画は、パンサーの尾形貴弘がリーダーとなり、後輩芸人たちとともに尾形軍団を結成し、街なかで蔓延る違法行為を取り締まるというものだ。

 過去には渋谷の街でポイ捨てを取り締まったり、落書きを消して回ったりしてきた尾形軍団だが、今回は都内各地に出没する、無許可の違法な桃の移動販売車を調査。尾形軍団が都内をパトロールし、移動販売車を見つけるとそのドライバーに直撃、違法行為をやめるように諭して回った。

 さらに移動販売車の正体を掴むべくスタッフが尾行すると、とある市場にたどり着く。そこで複数の移動販売車に桃が積み込まれる場面をキャッチ。さらに同じマークのカゴから桃が積まれていたことから“元締め”と思われる青果店の存在を割り出し、電話で問い合わせをするという場面もあった。

「過去の尾形軍団の企画は、芸人たちが渋谷の街でゴミ拾いをしたり落書きを消したりなどという内容で、あくまでも“過酷なロケ”という印象があったものでした。

しかし今回の移動販売車のロケは、都内で行われている違法行為の実態を明らかにするという方向性で、かなり社会派なロケ。お笑い要素控えめ、むしろドキュメンタリーに近いもので、なかなかの見ごたえでした。違法行為に及んでいる販売車のドライバーに切り込んでいく尾形さんの姿は、正義感あふれるジャーナリストにも近いものでしたね」(テレビ局関係者)

 さらに、この日の放送では、同じく尾形軍団のロケとして「なぜそこに!?崖の上にポツンと赤い車」という企画も放送された。簡単に入っていけないような断崖絶壁に不法投棄されている赤い車について調査するとともに、その車を実際に撤去するという内容だ。

「街なかの謎を調査するというロケは他の番組でもあるものですが、今回は重機を使って断崖絶壁から車を引きずり落とすというところまでやったのが圧巻でした。高いところから自動車が落ちてくる映像は映画顔負けのダイナミックさ。久々に地上波バラエティーの大胆な部分を垣間見た気がします」(同)

 ここ数年、ドッキリのターゲットとして大活躍してきた尾形だが、これらの「尾形軍団」の企画によってその評価も変わってきているようだ。

「芸風としてはどちらかといえば“ポンコツ”だけど、ピュアな性格ゆえに騙されやすく、人間味あふれるリアクションが出てくる。だからこそ、ドッキリにもってこいの芸人、というのが尾形さんに対する認識でした。

しかし、この尾形軍団の企画では危険をいとわず、とにかく目的に向かってまっすぐ突進していく尾形さんが見られる。それこそ早朝の渋谷でのロケでは、酔っ払って喧嘩するクラブ帰りの若者を仲裁する場面もありましたが、あそこで逃げないのが尾形さんの強さ。

 それらの行動の根底にはしっかり正義感もあり、尾形さんほど世直し系のロケに向いている芸人はいません。社会派ロケへの才能を見せました」(お笑い事務所関係者)

 名門仙台育英高校のサッカー部で背番号10を背負い、スポーツ推薦で中央大学に入学、大学時代もサッカーに打ち込んでいた尾形。かつてはよく口癖のように「メンタル!」「フィジカル!」などと叫んでいたこともあった。

「サッカー部時代に培ったフィジカルとメンタルの強さが、世直し系のロケで存分に活かされている。掴みかかられるかもしれないような相手でも直撃できるし、そもそも尾形さん本人が常に前のめりなので、どんなシチュエーションにも躊躇(ちゅうちょ)なく飛び込んでいける。

これができる逸材は、なかなかいません。コンプラ遵守のためぬるくなりがちなバラエティーのロケの中で、演者本人が先頭に立って切り込んでいけるのは、制作サイドとしても心強い。もちろんやりすぎてしまう危うさはあるものの、尾形さんはキャリアもあるので、そのあたりの塩梅も承知している。今後も『アンタッチャブるTV』の尾形軍団はもちろんのこと、そのほかの番組でもいろいろな形でその“強さ”を見せてくれるはずです」(同)

“ドッキリターゲット芸人”から、社会派の世直し芸人にシフトしつつあるパンサー尾形。地上波バラエティーに、新たな潮流を巻き起こすかもしれない。

浜松貴憲(ライター)

1980年生まれ、東京都出身。大学卒業後、出版社に入社。その後、いくつかの出版社を渡り歩いた末に、現在はフリーライターとして、テレビ番組、お笑い、YouTubeなど、エンターテインメント全般について執筆している。

はままつたかのり

最終更新:2023/09/24 19:00
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