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楽天・石井一久監督“クビ”の真相と田中将大投手らの巨額年俸という不良債権

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楽天・石井一久(写真/Getty Imagesより)

 10月10日に行われたロッテとの今シーズン最終戦に完敗し、シーズン4位で終えた楽天イーグルス。結果、日本シリーズへとつながるクライマックスシリーズ(CS)進出を逃した格好だ。これにより石井一久監督が今シーズン限りで辞任する意向を固め、12日に球団から正式発表となった。

「皆さんをCSにお連れできず申し訳ありませんでした」

 雨で1日順延、この日も降り続く雨で試合開始が予定より30分も遅れた。それでもポストシーズンへと続く大一番でロッテ相手に完敗。東北のファンを前に頭を下げるほかなかった。

「2018年秋にGM職で球団に入り、21年からはGMと監督を兼任。今シーズンは監督専任となっていましたが、実質的に“全権監督”として指揮しました。浅村栄斗、鈴木大地らフリーエージェント権を行使した強打者を次々と獲得、一方でチーム生え抜きの中堅、ベテランに次々と冷や飯を食わせて、追い出すこととなった。特に将来の監督候補とされていた捕手の嶋基宏とは、決定的な亀裂が生じてケンカ別れしたという」(球団OB)

 そんな嶋は、活躍の場をヤクルトに求めて移籍、引退後は指導者に転身した。来シーズンからは同チームの1軍ヘッド兼バッテリーコーチとして指導することが決まっている。

「さらに石井監督は、自身が所属する芸能プロダクションにゆかりがある球界のOBや、出身のヤクルト、西武OBをコーチとして多数呼ぶなどしていましたね。楽天古株の球団関係者からは、相当煙たがられたはず。そんな彼らを唯一黙らせる方法は優勝しかなかったが、監督の3年間で一度もできなかったのだから黙って去るしかない、ということでしょう」(スポーツ紙運動部デスク)

 実はシーズン中盤、今年7月4日にチームは最大借金13まで抱え「シーズン途中に石井監督の“強制休養”があるかもしれない」という激震情報が球界内を駆け巡ったこともあった。

「その後、チームは徐々に持ち直したので最悪の事態は回避できましたが、CSにさえ行けなければ結果は同じこと。石井監督も今年夏場以降は『監督は今年で終わり』と旧知のヤクルトOBに声高らかに宣言していましたしね。ただ、これを伝え聞いた楽天ナインが『いい加減にしろよ』と激怒していたこともあり、空気はあまりよくなかった。選手も監督を信用しない期間が1年くらいはあったようです」(同デスク)

 三木谷浩史オーナーと銀座の飲み仲間としても知られる石井監督だが、これで問題解決とはいかない。これまでの不良債権処理が終わっていない……というからおだやかではない。

「その筆頭格は年俸が4億円の田中将大。日米通算200勝まであと一息ですが、残留するなら1億円程度まで減俸しないと難しい。嫌なら自由契約にして他球団と交渉に入る。ほかにも高額年俸選手がいるため彼らの処遇をどうするのか。さらに石井監督の後任も決まっていない。人事は三木谷オーナーの専権事項なので、まったく読めないが、内部からの配置転換で済ませるなら、来季は彼の現場介入がさらに増えそうだ」(球団関係者)

 立て直しは一筋縄ではいかないのかーー。

大山ユースケ(ライター)

1990年、千葉県生まれ。某大手メディアに勤務中の複業ライター。得意ジャンルはお笑いと酒。

おおやまゆーすけ

最終更新:2023/10/14 12:00
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