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渡邉理佐と瀧七海の二択――『ブラックファミリア』見えない真犯人と「エロ演出」の多用

渡邉理佐と瀧七海の二択――『ブラックファミリア』見えない真犯人と「エロ演出」の多用の画像1
読売テレビ『ブラックファミリア ~新堂家の復讐~』公式サイトより

 11月16日、板谷由夏主演『ブラックファミリア ~新堂家の復讐~』(日本テレビ系)の第7話が放送された。

 芸能人を目指した次女の梨里杏(星乃夢奈)が学校で転落死。幸福な家庭が崩壊した新堂家。一葉(板谷由夏)ら家族は真相を探るべく、事件と深くつながっているとされる早乙女家にそれぞれ潜入した。前回は家政婦として潜り込んだ一葉が、家族の長で女狂いの早乙女秋生(平山祐介)に不倫関係を求められ、応じるふりをしてベッドに入ったところ、秋生の妻である早乙女麗美(筒井真理子)、そして一葉の夫である航輔(山中崇)が踏み込んできた、という修羅場スタートの場面で終わったが……。

 麗美は「あなたの節操のなさには」と怒りというより呆れた様子。秋生も「俺がこんな人間だと知ってるだろ」と開き直る始末。早乙女家の家族関係はやはり崩壊していた。秋生は「離婚はいつでもしてやる」と強気。権力と金を握っているからこその自信。麗美も若い芸能人と不倫をしているが「金しか魅力がない」と侮辱する始末だ。

 一方の新堂家。修羅場の後、2人並んで無言で帰宅(家族だってバレるかもしれないのに無防備すぎやしないか……)。麗美に「秋生がしつこく誘っている、と一葉から相談をされた」と嘘をついて現場に仕向けたのは航輔だった。2人で帰宅後、一葉は「秋生を殺してでも、という気持ちだった」「なぜ邪魔をするのか」と航輔を責めるも「妻が抱かれるのを耐えられない」「これ以上は復讐をやめよう」と諭す。新堂家の夫婦関係も(復讐において)方向性が大きく変わってしまっていたようだ。しかし、一葉は「(梨里杏を失った)胸の痛みは消えない。復讐は続ける」と涙ながらに宣言した。

 別で動いていた沙奈(渡邉理佐)は、秋生に女性タレントを流している芸能事務所のいかがわしいパーティに、早乙女家の長男・倫太郎(塩野瑛久)と潜入。倫太郎も家族を毛嫌いしており、沙奈の口車に乗って家族の悪行を潰そうと動く。沙奈はパーティにいた事務所の社長である釘抜美嘉(しゅはまはるみ)に近づき「有名になりたい」「何でもする」といって、タレントとして近づくことにした。沙奈は、秋生も出席する芸能人オーディションに参加することとなる。

 後日、一葉は麗美に呼び出されて、あの日の一葉が「抱かれる女の目じゃなかった」と鋭い指摘。だが、今回の件は秋生の暴走ということで今後も家政婦として働けることになった。いやいや、いい加減トラブルが多いためクビにした方がいいと思うのは筆者だけだろうか。

 新堂家の居候・五十嵐優磨(森崎ウィン)は、韓流タレント風の見た目で近づいた早乙女家の葵(瀧七海)と会うことに。新堂家には内緒だった。ネットで交流を深める中でお互いに共感が強くなり、優磨は復讐と関係なく葵と会うことにしてしまった。待ち合わせ時間は夜。これがどうトラブルになるのか……。

 沙奈は予定通りオーディションに参加、そこにはやはり秋生もいた。秋生は「芸能人は身体を張らなきゃならない、その覚悟はあるのか」と沙奈のスカートをめくりながら問う。1話に1回は秋生の気持ち悪い言動があるのがお決まりとなっているこのドラマ。もはやギャグにしか見えない。平山祐介さんも大変だ。沙奈は無事合格し、潜り込めそうだった。

 優磨は、結局葵とは会わず、連絡を絶ち行方不明に。心が通じ合ったと思っていた葵のショックは大きく、自宅に引きこもり自暴自棄状態になってしまう。葵は高校の親友だった梨里杏を失ってから精神状態が不安定になっていた。新堂家にも行き先を伝えなかった優磨。どこかに隠れているのかと思いきや、とある線路沿いで血まみれで倒れているのが発見された……。

 ショッキングなラストを迎えた第7話だが、『ブラックファミリア』でよくありがちな二大シーン「秋生のキモすぎ行動」「沙奈の(微妙な)エロ演出」が記憶にこびりついている。 秋生は権力と金の力で女性に舌なめずりをしまくる描写が多々ある。今時の性加害を押し出している感じなのだろうが、それがイマイチ本筋と絡んでおらず、性癖が次女の死に絡んでいたとしてもやや肩透かしだ。

 沙奈は元アイドルグループの人気メンバーである渡邉理佐の性的魅力で視聴者を“釣る”意図が明白だ。今回のスカートめくりやら「私のパンツ見たいんですか」発言などなど。お色気シーンといえばそれまでだが露骨で、彼女のファンでもなければ興ざめするかもしれない。

 そして重要な犯人についてだが、やはりどうしても早乙女家に殺人をしそうなキャラクターがほぼいない。というかそれぞれがそもそも悪人気味で、犯人がこの中にいても「ああ、そう」という感想にしかならない。唯一、瀧七海は精神的に不安定さがあり、実は親友を殺害した、というオチはありそうである。

 新堂家では、やはり渡邉理佐が怪しいだろう。板谷由夏に一番協力的で頭も切れる。篠原涼子主演の『アンフェア』(フジテレビ系)もそうだったが、こういう「一番怪しくない」タイプが犯人なのはドラマのセオリーだ。いずれにせよ伏線めいたものも少ないのであてずっぽうしかできないが、筆者としては真犯人は瀧七海か渡邉理佐の二択に絞られたと考える。できれば裏切ってほしいところだ。

■番組情報
木曜ドラマ『ブラックファミリア ~新堂家の復讐~』
読売テレビ・日本テレビ系毎週木曜午後11時59分~

出演:板谷由夏、山中崇、森崎ウィン、渡邉理佐、星乃夢奈、筒井真理子、塩野瑛久、平山祐介、瀧七海、小野武彦、少路勇介、長妻怜央(7ORDER)、しゅはまはるみ、カトウシンスケ、釈由美子 ほか

脚本:佐藤友治、城定秀夫、富安美尋
監督:城定秀夫、坂本栄隆、本田隆一
音楽:Yuria Miyazono、石毛駿平
チーフプロデューサー:岡本浩一
プロデューサー:福田浩之、馬場三輝(ケイファクトリー)
制作協力:ケイファクトリー
製作著作:読売テレビ

公式サイト:https://www.ytv.co.jp/blackfamilia/

東海林かな(ドラマライター)

福岡生まれ、福岡育ちのライター。純文学小説から少年マンガまで、とにかく二次元の物語が好き。趣味は、休日にドラマを一気見して原作と実写化を比べること。感情移入がひどく、ドラマ鑑賞中は登場人物以上に怒ったり泣いたりする。

しょうじかな

最終更新:2023/11/23 17:00
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