日刊サイゾートップ > エンタメ > ドラマ > 『新空港占拠』櫻井翔“武蔵”の「兄」の正体

『新空港占拠』櫻井翔“武蔵”の「兄」の正体は――「山猫」の真相が二転三転の急展開

2024/03/02 12:00

新空港占拠

　櫻井翔主演の土曜ドラマ『新空港占拠』（日本テレビ系）もいよいよ終盤。2月24日に放送された第7話では、事件のカギを握る人物「山猫」の正体、そしてさらに裏に潜むキーマンの存在が浮かび上がってきた。

『占拠』シリーズ2作目となる本作品。新空港を占拠したテロリスト集団「獣」が暴く国家の闇に日本中が震撼するなか、刑事の武蔵（櫻井翔）は事態を収束するべく新病院に潜入する。しかし、事件の裏には善良と思われていた人々の悪事が関わっており、武蔵は隠された真相を究明することになる。そしてストーリーが終盤に入り、ついに黒幕である「山猫」の正体が明らかになろうとしている。

　武蔵が「山猫」の正体を突きとめなければ、残り4時間で人質もろとも爆破されてしまう絶体絶命の危機。すでに「獣」のリーダー格である龍（高橋メアリージュン）の正体は明かされているが、まだ真相には奥がありそうな気配が漂う。武蔵はさくら（ソニン）に隠れながら、かながわ新空港の社長・天童（黒沢あすか）の拘束を解く。天童は山猫の存在を知っており、拘束を解く代わりに正体を教える、という取引をしたのだ。

　人質の命が握られる絶体絶命のなか、制作陣の遊び心には驚かされた。天童を連れた武蔵は、さくらたちを撹乱するためにSNSで偽の目撃情報を拡散させる。アカウントのユーザー名やIDには「山風」（嵐）、「Happiness」（嵐のシングル）、「3961440」（さくらいしょう）、「onelove」（嵐のシングル）など、完全に「嵐ネタ」。これには視聴者も大騒ぎだったようだ。

　天童が語るところによれば、「山猫」の正体は陸奥哲夫という男で、新空港建設に関わった有力者だった。しかし、10年前にこの男は病死。では、「山猫」はもう存在しないのか。いや、そうではない。陸奥の死後、山猫の代役として暗躍していた男がいた。それが人質の一人・北見（手塚とおる）だった。政界の力を使って影響力を引き継いでいたというわけだ。

　武蔵は北見を追及し、北見は自分が山猫であることを認める。獣の集団がこだわる男の正体が明かされたわけだ。ここまで山猫の正体が視聴者の注目だっただけに、あまりにもあっさりして肩透かし、とも言える。盛り上がりに欠ける展開だが、話は簡単にはいかない。同作品が始まって以来、ずっと拉致されている武蔵の妻、裕子（比嘉愛未）と、彼女を拉致したり助けたりする「獣」の鼠である大河（ジェシー）が、隠し持っていたデータを解析。その中から、思わぬ情報に行き着く。そしてこうつぶやくのだ。

「北見は山猫じゃない、本当の山猫は……」

　大河は遠隔で「獣ちゃんねる」を乗っ取る。そして武蔵に要求するのだった。「お前の妻が1年前に犯した罪を明らかにしろ」。それができなければ裕子の命はない。占拠事件収束と妻救出のダブルタスクを課された武蔵だが、打開する策はあるのか……。

　いかにも怪しかった北見が黒幕では盛り上がらないのは制作側も流石にわかっている様子。現在の出演者の中に他の黒幕がいるようだ。武蔵の姉である県会議員の二葉（奥貫薫）、捜査班の本庄（瀧内公美）や岩槻（白石聖）あたりが最も怪しいが、岩槻はまだ出てきていない「犬」なのではとの見解が強い。さくらが取り出したお面をすぐに「犬」と判別できた点が不自然というわけだ。警察に潜り込んでいる点も正に“イヌ”である。

　二葉は「怪しくなさすぎて怪しいでしょ？」という立ち位置であり、何かしら関与はあっても黒幕というのは少し弱い。武蔵の失踪した「兄」が大きく絡んできそうな気配もある。制作陣としてもネットの特定班に突き止められないよう細心の注意を払っているのがわかる。故に伏線も細かくせざるを得ないのだろうが、作る側は大変だ。いずれにせよ、「山猫」の真の正体はまだはっきりとしないだけに、視聴者のもんもんとする日々は続きそうだ。