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話題作の監督を緊急インタビュー!

アカデミー賞作品の反証ドキュメンタリーが公開! “反捕鯨”に潜む禁忌『ビハインド・ザ・コーヴ』

behindethecove01『ザ・コーヴ』の舞台となった和歌山県太地町。一本の映画の影響で、のどかな海辺の町はイルカ漁の町として世界的に知られるようになった。

 米映画界の華やかな祭典・アカデミー賞の季節が近づいてきたが、2010年にアカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞を受賞した『ザ・コーヴ』(09)を覚えているだろうか? 古式捕鯨発祥の地として知られる和歌山県太地町で行なわれているイルカの追い込み漁の様子を米国人のルイ・シホヨス監督ら撮影クルーが隠し撮りしたものだが、日本での公開時には「反日を目的としたプロパガンダ映画だ」と上映を予定していた映画館に抗議の電話が殺到し、上映中止に追い込まれる騒ぎが起きた。あの騒動から6年、ひとりの日本人女性がまったくの独力と自己資金で『ザ・コーヴ』の反証映画を完成させた。その作品名は『ビハインド・ザ・コーヴ 捕鯨問題の謎に迫る』。モントリオール世界映画祭には選ばれたが、日本国内の映画祭からは出品を断られたという気になる作品内容と、本作で監督デビューを果たした八木景子監督のコメントを届けよう。

behindethecove02昭和世代には懐かしい、クジラの竜田揚げが入った学校給食。鯨肉は戦後の食料不足を解消する重要なタンパク源だった。

 八木監督がハンディカメラを手に単独で取材を始めたきっかけは、2014年3月に国際司法裁判所が南極海での日本の調査捕鯨を「商業捕鯨の隠れ蓑」だと再考を言い渡したことだった。捕獲されたクジラの肉が市場で売られていることが問題視されたわけだが、この裁判結果に八木監督は驚いた。「子どもの頃から給食でよく食べていたクジラの竜田揚げが食べられなくなる」と。好物が食べられなくなるかもしれないという危機感から、八木監督は反捕鯨活動の実情を調べ始める。反捕鯨運動の急先鋒を務める活動団体シーシェパードは、「お金が集めやすい」という理由からクジラ漁に反対していること、『ザ・コーヴ』が告発したイルカ肉に含まれている水銀の含有量はデータとしていい加減だったことが分かる。シーシェパードが日本の調査捕鯨船へ嫌がらせを繰り返す様子は『ホエール・ウォーズ』としてテレビ放映され、エミー賞にノミネートされた。イルカ漁を隠し撮りする過程をサスペンス映画のような演出で見せた『ザ・コーヴ』は、米国の食品産業界の危険性に警鐘を鳴らした『フード・インク』(08)を押しのけて見事にアカデミー賞に輝いた。米国の権威あるアカデミー賞やエミー賞の作品選考の杜撰さを明るみにしていく。

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