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防衛省事件“宮崎緊急逮捕”を生んだ、民主党と検察の駆け引き

 「サイゾー」本誌や「日刊サイゾー」でも、でもたびたび追及してきた防衛スキャンダルの捜査がついに火ぶたを切った。ほかでもない、防衛省の守屋武昌・元事務次官を20年にわたって接待漬けにしてきた防衛商社「山田洋行」のキーマン、宮崎元伸元専務が11月8日に逮捕され、「守屋氏の逮捕も秒読み段階」(社会部デスク)といわれるほど緊迫度は増している。


政争の具にはさせない

 ところで、逮捕日の「8日」に因縁を感じるのは本誌だけではないはず。注意深い読者の方々はお気づきだろうが、「日刊サイゾー」はすでに5日、「宮崎容疑者は8日に開かれる参院の参考人招致に応じる意向」というスクープ情報をいち早く伝え、宮崎証言をめぐる思惑をこう指摘しておいたからだ。

「宮崎氏はすでに東京地検特捜部の事情聴取をたびたび受けており、政治家に資金提供したことを供述済み。『国会でも暴露発言をするのでは』とセンセイ方は戦々恐々だ。一方の特捜部も、聴取内容が国会にさらされ手の内を知られてしまうことに神経をとがらせている」

 イライラした特捜部はまさにその「8日」に宮崎容疑者を逮捕。宮崎証言をしつこく要求してきた参院で多数を占める民主党議員たちの追及の手を阻み、「政争の具にさせない」といわんばかりの露骨なメッセージを送ったという。

 政治部デスクはこう内幕を明かす。

「実は、宮崎氏はいったん参考人招致に応じた後、ふたたび参院に『やはり国会には出られない』と断ってきました。理由を聞かれた宮崎氏は『検察にとめられた』とハッキリしゃべったそうですね。そこで強制力のある証人喚問に切り替え、なんとしても宮崎氏を呼び出そうと民主党サイドは必死に動き出した矢先でした」

 宮崎喚問を決めたのは7日午前のこと。これを知った検察当局はにわかに動き出す。


検察 vs 民主 交錯するそれぞれの思惑

「そうでなくても国会とたびたび連絡を取り合う宮崎容疑者の動きを、特捜部は快く思っていなかったね。実は、共犯がまだアメリカに滞在中で、帰国するよう求めてきたがなかなか戻らないためズルズルと逮捕日程は先送りされていたんだ。なのに民主党がこんどは宮崎喚問を仕掛けてきたので、急きょ日程を繰り上げたわけだ」(社会部デスク)

 すでに国会が喚問日程を発表した後の逮捕劇は、きわめて珍しいことらしい。「頭にきた参院民主は、東京拘置所にいる宮崎容疑者のところへ出張尋問まで検討するほど、検察のやり方に憤っていますね」と政治部デスク。

「参院にいる民主党の多くはもともと旧社会党や旧民社党出身の、いわゆる左翼陣営と呼ばれた人たち。例の福田・小沢党首会談が生んだ大連立構想は保守合同の動きでもあって、もし実現されたらこの陣営は切り捨てられる運命にある。危機感を覚えた彼らはここで存在感をアピールしたかったのです」

 防衛スキャンダルをめぐり、国会と検察の駆け引きの裏にちらつく大連立構想の影。衆院の早期解散も取りざたされるようになったいま、防衛スキャンダルの疑惑解明が置いてけぼりにならないようウオッチを続けたい。
(編集部)

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最終更新:2008/06/11 17:42
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