日刊サイゾー トップ > カルチャー  > 最強インストバンド降臨!
フリーインプロヴァイズ重視の高密度なライヴで新風を巻き起こす

ピアノ×カホンの最強インストユニット「→Pia-no-jaC←」全国ツアー開始!

pj041804.jpg演奏中、2人の目線は何度も交錯する。

 大道芸人のごときギミックも用いて、フロアを飽きさせない。そのタイトルどおり、甘くかわいらしい「Fairly Dolce」では、機械じかけの人形と化してしまった(?)HAYATOが演奏を止めるたびに、HIROが大きなねじ巻きを持ち出しては、ギイ、ギイと歯車を廻す。直った、と思ったらそれはフェイクでまた止まったり。遊び心たっぷりにエンタテインメントを届けようとするふたりのもてなしが心地よい。

 8曲目のあとはこの日の核心、即興コーナー。開演前に募ったリクエストの要望に沿って即興演奏をするものだが、手にとったリクエスト用紙に「ジョンソンの北京ダック」と書かれていたからたまらない。

pj041805.jpgこれがジョンソン。

 ジョンソンとは演奏の一部にも登場する、声を発する黄色いアヒル人形の呼び名のこと。これを北京ダックにするのか……というところでHAYATOは考えあぐねてしまった。「これで『海』が出てきたら『海の北京ダック』になる」と、HIROに奨められて開いたもう一枚のリクエストは、なんと「アラサー」。

 つまり、北京ダックにされるアラサーのジョンソン、というテーマでインプロヴィゼーションをしないといけなくなったのだ。それでも、「よし。いろいろ設定できるね。やってみようか」と、HAYATOはピアノを静謐に弾き始める。シリアスなトーンのピアノにHIROがジョンソンを絡めるなど、混沌とした序盤から、やがてリズムがシンクロする中盤に到ると、フロアが熱気を帯び始める。ドラマティックな展開のあと、メインのリフに戻り演奏を終えると、うおぉ、という歓声が待っていた。即興とは思えない完成度と言えばいいのか、それとも即興だからこその起伏溢れるテンションの高さと言えばいいのか。「最高!」というファンの叫びは本心だっただろう。

 HIROは「今の1曲でジョンソンの一生が垣間見えた。これはまるで人生です!」と言った。短時間で劇的なストーリーを組み立ててしまう→Pia-no-jaC←、おそるべし。

pj041806.jpgしてやったりのHAYATO。

 もう、ライヴがひとつ終わったかのような達成感に会場が包まれたが、それでも全体の半分ほど。後半戦はMCも短めで、アンコールまで畳み掛けるように次々と豊富な楽曲を送り出していく。

 東日本大震災後に制作をスタートした『暁』の中でも、しんしんと雪の降る冬にでき、とくに穏やかな日々が続くようにとの願いが表現された「雪月花」が、そこまでの「動」に対する「静」で会場の気持ちをひとつにする。そして一転、ラストの「威風堂々」「PEACE」では再びエネルギーを爆発させ、上昇感で空気を満たした。

 その空気の高揚をさらに持続させたアンコールでライヴは幕を閉じたが、演奏に入る前に、ふたりから重大発表があった。

 ひとつは、7月に予定されている、世界的ヴァイオリニスト・葉加瀬太郎とのコラボレーションアルバム発売。

 そしてもうひとつは、デビュー5周年に向けた記念の全曲ライヴ(!)。会場は日比谷野外大音楽堂だ。

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