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『僕がアップルで学んだこと』著書・松井博氏インタビュー

アップル元社員語る「過酷な社内政治とクレイジーな要求」

――アップルは、リスクを厭わないということでしょうか?

松井 私はアップルに勤めていて、「これが失敗したら次はどうなるのだろう」と思ったことが、たびたびありました。「気が狂ってる」と思うことも何回かありました。ジョブズは蛮勇といってもいいような勇気をもって、商品のかたちをまったく変えてしまう。iPadにしたって、タブレット型のコンピュータというのは、これ以前にもあったわけです。ですが成功例はただのひとつもなかった。そこで、「よし、やってやろう」となる。創業者だからできたのかもしれませんが、日本企業は勇気が足りない感じがしますね。

潰れかけていたアップル

――松井さんがアップルに入社されたのは、業績が低迷していた頃ですね。

松井 相当ひどかったです。もうめちゃくちゃ。悪循環に完全にハマっていて、製品がダメでバグだらけ。雑誌にもバンバン叩かれる。社員のプライドは低くなるし、いい人材は辞めてしまう。類は友を呼ぶで、代わりにしょうもないヤツが入ってくる。試作機が消える。備品がなくなる。その劣化ぶりも見事で、日本人だったらもうちょっとマジメにやるだろと思うくらい。自著で書いたのも本当のことばかりで、恥ずかし過ぎて書いてない内容もありますが、とにかく衝撃でしたね。漫画のような世界でした。

――そこからどうやって組織が変わっていったのですか?

松井 ジョブズが戻ってきたことが一番大きいのですが、まずギル・アメリオ(元アップルCEO)が大ナタを振るったんです。当時社員が1 万5000人くらいいたと思いますが、大きなレイオフを2回して、社員を半分くらいに減らしたんです。それまで何も生んでいないただのお荷物みたいだった人たちが、きれいに整理された。儲かっていない事業もバンバンやめた。そうやって膿を出し、視界が広がりました。その後、アップルがネクストを買って、ジョブズが戻ってきた。彼はもっと徹底していました。

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