日刊サイゾー トップ > インタビュー  > 『ウシジマくん』真鍋昌平が登場
映画『闇金ウシジマくん』公開記念インタビュー

「絶望の中の微かな希望」作者が語る『ウシジマくん』と『ドラえもん』の共通点

――資料によれば、藤子・F・不二雄先生の作品に衝撃を受けたそうですね。世界観としては、藤子不二雄A先生のほうが近い気がしますが……。

真鍋 小学校の頃に、『ドラえもん』を読んで衝撃を受けたんです。未来からやってきたドラえもんが、毎回ひみつ道具でのび太の窮地を一時的に助けますが、必ず最後にはのび太はしっぺ返しを食らう。6巻の「さよならドラえもん」という回で一度エンディングを迎えるんですが、この回はのび太がドラえもんの道具に頼らず、自分の力で戦うというストーリーでした。そこまでの『ドラえもん』が大好きなんです。

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――お話を伺っていると、どことなく『ドラえもん』と『闇金ウシジマくん』が共通するお話のように思えてきます。

真鍋 『闇金ウシジマくん』も『ドラえもん』も「そんなうまい話はない」っていうことを描いているんじゃないかな。そこは共通しているかもしれませんね。

――『闇金ウシジマくん』のストーリーは、よく「救いがない」と言われます。作者としては、どのような意図から、救いのないストーリーを描いているのでしょうか?

真鍋 まったく救いがないわけではないんです。毎回、ちょっとだけ希望を感じられるような終わり方をしている。登場するキャラクターが、この先もやっていけるんじゃないかという希望を感じさせるための最低限の救いはあります。“絶望の中の微かな希望”というイメージですね。

――真鍋さんは、人間をどういう生き物だと捉えていますか?

真鍋 最初に『ウシジマくん』を描く時、葛藤している人間を描こうと思っていました。お金で葛藤している人々は、どこか生き生きとしているようにも見えたんです。それに、窮地に追いやられた時に人間の出す力は面白い。『ウシジマくん』では、そういった人間の面白い部分を描ければいいなと思っています。
(取材・文=萩原雄太[かもめマシーン])

●まなべ・しょうへい
生年月日非公開。1993年『GOMES』主宰のマンガコンテストにて『ハトくん』がしりあがり寿賞を受賞しデビュー。グラフィックデザインのアルバイトを経て、1998年『憂鬱滑り台」でアフタヌーン四季賞の四季大賞を受賞し、再デビュー。2004年より「ビッグコミックスピリッツ』で『闇金ウシジマくん』を不定期連載、第56回(平成22年度)小学館漫画賞一般向け部門を受賞。

●『闇金ウシジマくん』
監督:山口雅俊/脚本:福間正浩 山口雅俊/出演:山田孝之 大島優子 林遣都 崎本大海 やべきょうすけ 岡田義徳 ムロツヨシ 鈴之助 内田春菊 市原隼人 片瀬那奈 黒沢あすか 新井浩文/原作:真鍋昌平 『闇金ウシジマくん』(小学館「週刊ビッグコミックスピリッツ」連載中) /配給:S・D・P 
8/25(土)新宿バルト9ほか 全国ロードショー
公式サイト <http://ymkn-ushijima-movie.com/>
公式Facebook <http://www.facebook.com/ymkn.ushijima.movie>
公式Twitter <https://twitter.com/#!/ushijima_movie>

最終更新:2012/08/24 13:55
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