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【プレゼントあり】映画『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ』公開記念インタビュー

「自分はハッピーエンドのつもりでいた」脚本家・虚淵玄が語る『魔法少女まどか☆マギカ』の未来

──そもそも、こうしたスピンオフ作品には虚淵さんは基本的に携わっていないのですか?

虚淵 そうですね。設定上の不整合があったときには、指摘する場合もある程度です。もし、自分が『まどか☆マギカ』を一人で書いて独占していたら、それはただの”作品”として、印税をもらえるだけのものでしかありません。でも、『まどか☆マギカ』のように、色々な人たちによって語り継がれることで物語は”伝説”になっていく。自分はそれが「物語」というものの健全な進化だと思うんです。産み落とした子どもに養い続けてほしいか、独り立ちして名を成してほしいか。どちらを望むかというだけの話です。

──小説などと違い、ゲームやアニメという共同作業が前提の業界で活躍されているからこそ培われた感覚なのかもしれないですね。元々、虚淵さんは18禁ゲームでシナリオを執筆されていました。そこから、一気にテレビアニメの脚本家としてスターダムに登ったという実感はありますか?

虚淵 そもそも自分がスターダムに登ったとは思っていません。自分を取り巻く状況に変化はありましたが、自分の創作の軸は変わっていない。何であろうとエンターテイメントとして作品を作る。それがすべてですから。

1211_madomagi3.jpg未来的な街並みの中に、風車のある背景が描か
れている。(C)Magica Quartet/Aniplex・Madoka
Movie Project

──「エンターテイメントがすべて」とおっしゃいましたが、『まどか☆マギカ』では、風力発電の風車が出てくるなど、「偶然ながらも、昨今の風潮を反映したような未来が描かれている」といった、社会的な観点からの評価も聞こえてきます。テレビ本放送時は最終回を含む数話が東日本大震災で一時放送中止になったことからもわかるように、震災の時点ですでに最終話は完成しており、この符号は偶然ではあったのですが、普段の執筆の際にその時々の世相を物語に反映することはあるのですか?

虚淵 仮にも現代を生きているわけだから、もしかしたら無意識に影響を受けている部分はあるかもしれないです。だけど、ことさらそれを意識するということもないですね。

──東日本大震災後に執筆された新作に関しても同じことなのでしょうか?

虚淵 そうですね。「震災でこれまで信頼していたものが揺らいだ」と言っても、自分の中ではとっくの昔に世界の底は抜けていましたから。それこそ、僕らの世代では、オウムのサリン事件や阪神大震災などがありましたし。

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