本多圭の「芸能界・今昔・裏・レポート」

“熱烈サユリスト”岡田会長が『ふしぎな岬の物語』を擁護する「日本アカデミー賞」の茶番劇

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芸能取材歴30年以上、タブー知らずのベテランジャーナリストが、縦横無尽に話題の芸能トピックの「裏側」を語り尽くす!

 「第38回日本アカデミー賞」の優秀賞発表記者会見で、日本アカデミー賞協会会長を務める東映映画グループ会長の岡田裕介氏が、北野武監督にかみついた。昨年10月に行われた「東京国際映画祭」のイベントでの、「日本アカデミー賞最優秀賞はたいていが大手3社の持ち回りで決まっている」という北野監督の発言に対し、「これほど厳正な投票によって行われているものはない」と反論したのだ。

 しかし、北野監督の発言は今に始まったことではない。北野監督は「東京スポーツ映画大賞(通称:東スポ映画祭)」の審査委員長を務め、毎回、全国の映画祭のプロデューサーによる投票結果を参考に独断と偏見で映画賞を決定しているが、そのたびに同様の発言を繰り返してきた。

 ここ数年は「製作費が少ないこともあって、面白い映画がない。無理にノミネートすることはない」と、賞によっては該当なしのケースもある。それだけに、同映画祭の運営に関与している筆者も、東スポ映画祭が真の映画祭だと自負している。

 しかし、なぜ岡田氏は今になって、北野監督の発言を否定したのか?

 発表された今年の受賞作を見て、納得した。なんと、女優の吉永小百合が主演し、成島出監督と共同プロデュースを務めた映画『ふしぎな岬の物語』が、最多の13部門で受賞している。岡田氏が熱烈な“サユリスト”であることは、映画業界ではあまりにも有名な話だ。プライベートで撮影されたツーショット写真が週刊誌に掲載されたこともあり、自らもサユリストを自任している。

 岡田氏は、昔は俳優として活躍していたが、引退後、父親が社長を務めていた東映に入社。映画プロデューサーとして活動するようになった。岡田氏は、プロデューサーとして『夢千代日記』や『玄海つれづれ節』など、吉永主演の映画のプロデュースを手掛けるようになった。社長に就任してからも、『北の零年』を手掛けたが、惨憺たる興行成績だった。それでも懲りずに超大作映画『まぼろしの邪馬台国』を製作し、またも大コケした時は、さすがに社内から「岡田氏は会社を潰す気か?」と批判の声も上がった。

 しかしその後、『北のカナリアたち』で興行成績を上げて、面目躍如。そして、今回、岡田氏率いる東映が手掛け、吉永がプロデュースした『ふしぎな岬の物語』が最多ノミネート。2月27日に最優秀賞が発表される。

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