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“ニッポン礼賛番組”TBS『メイドインJAPAN★』の下品で押しつけがましい演出に辟易

■“弱者”を登場させ「泣けます」と煽る演出

 しかも、必ずと言っていいほど、各パートごとに、見事に「弱者」が存在する。「血のつながっていない、実の母を亡くした娘」「認知症の祖母」「病弱な父とバツイチの娘」「貧乏&パニック障害の母」といった、それぞれの苦難が、途中なんの番組だか忘れるほど、再現ドラマでたっぷりと見せられる。その製品がなぜ素晴らしいかの説明よりも長く、丁寧にだ。煽り文句でも、はっきりとテロップで「どうしてこんなに心が震えるんだろう」とかナレーションで「これ、ちょっと泣けます」とか言ってしまっている。

 くどいようだが、出演者にはなんの落ち度もない。

 ただ、「苦難のある人が、我ら日本の力で救われたのだ。日本最高、俺たち最高。奇跡!」という見せ方に、とにかく品位が感じられない。VTR明けに、判で押したように、必ずおのののかが涙を流しているのも、その一因かもしれない。

 さらに、アメリカの祖父母の元に持っていった浄水器には、偶然かもしれないが番組スポンサーであるパナソニックの文字がしっかりと記されており、それを飲んだアメリカ人祖父らが「水道水がミネラルウォーターになったぞ」とか「アメリカにも浄水器はあるけど、ここまで美味しくなるなんて!」「日本の技術はすごいな」と、まさに通販番組のような吹き替えが当てられている。

 メーカー名がはっきり出ていたのはドイツに運ばれた3Dプロジェクターのエプソンも同じで、専用のゴーグルをつけ、日本の桜の風景をみて、ドイツ人の母親が感動しているシーンは、やはりコマーシャルにしか見えなかった。何度でも言うが、見せ方の問題だ。どちらかといえば彼らは担ぎ出された被害者だとすら思う。

■元の声を無音に……吹き替えも信用できない

 この番組は、吹き替えにも気になることが多い。

 同番組では以前の放送でも、イランの方が話すペルシャ語が、本来の意味からだいぶ誇張した吹き替えがされていたようで、朝日新聞のテヘラン支局長にTwitterで指摘されている。

 シャワートイレを使用した現地の方々が「ありがとう」のような感謝の言葉を数回口にしているだけなのに、「気持ちいいし、勝手に洗ってくれる」と、実に都合よく意訳されているというのだ。

 今回訪れたドイツでも、ベッドがないのでいつもソファで寝ているという母親が、娘の持参したマットレスで寝た後「日本ってすごいものを作るのね。寝ることの大切さをちゃんと理解している国がドイツ以外にあるなんて驚いたわ」なんて、絵に描いたようなことを言ってくださる。その後も「(娘を)日本に行かせてよかった」「(トンカツを食べて)私も和食を勉強しようかな」「お母さんのおかげで『日本』という素敵な国のことを知りました」など次々「名台詞」が連発される。

 しかし今回は、確認しようにも基本的に吹き替えの際は元の言語が完全に無音にされているため「証拠」は放送されていない。指摘を受けて改善するなら、元の声は残すべきだと思うのだが。

 番組の最後が、母国ドイツに製品を持参した外国人の「親孝行できたと思います、これも日本のお陰と思いますね。本当に心から感謝しています」という言葉で締められているのも、恐縮するというか、もはや申し訳ない。結局、この言葉を言わせたいだけにも見える。

 日本の良さを見直すとか、自身の国に誇りを持つことはなんの問題もないし、それを実感させてくれる番組があることも、それはまあいいだろう。

 しかし、そう思いたい人ですら、この番組の見せ方では、納得できないのではないか?

 日本人が喜び、外国人も楽しめて、スポンサーもつきやすく、制作者も企画が通りやすい、実に都合のいいい番組なのかもしれない。だが、疑問に思っている人も少なからずいるということもわかってほしいところだ。

最終更新:2017/11/28 13:07
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