「森見登美彦先生の変化が一番見られる作品」!? 『有頂天家族2』プロデューサー&P.A.WORKS代表・堀川氏インタビュー
―― そこもお話を聞きたいなと思っていた一つでして、いろんなコラボ企画が放送前から行われています。製作委員会がプロモーションを頑張った結果なのか、それとも作品として引きが強く、向こうから提案してもらったっていう感じなのか、どっちのケースが多かったんでしょうか?
堀川 今回は弊社が製作委員会の幹事会社ということもあって、宣伝・広報業務に慣れてないスタッフが、とにかく何でもやってみよう、『有頂天家族』を知ってもらおうと、新しい挑戦を頑張ってやってくれていて。
全然慣れてない僕らが動くなら、ということで委員会のメンバーの方たちも協力してくれて、今までの宣伝活動とは少し違う、新たな試みも非常に多いので、これは今後のP.A.WORKSの活動にも生かすことができる、面白い経験ができているかなと。
たとえば「有頂天カフェ」も、海外番販を主に担当しているスタッフが、コラボカフェを東京でやったらどうかと提案して、話を進めてくれたんです。
ちょうど『3月のライオン』のコラボカフェを開催していた、実績のあるところでしたが、実は本の取り次ぎをなさっている会社が運営されているカフェなので、『有頂天家族』とはすごく親和性が高かったです。親善大使の方も京都出身の宣伝担当が京都市さんと頑張ってくれて。
※「有頂天家族カフェ」がマルノウチリーディングスタイル・カフェ(公式サイト)にて開催中
あと、聞いている話だと下鴨神社さんもがんばってくれてるとか。
奥津(取材に立ち会っていた、P.A.WORKS、総務・奥津氏、以下「奥津」) そうなんです。下鴨神社さんは世界遺産にも登録されている神社ですが、アニメでは史上初のイベント(「有頂天家族2 成功祈願 下鴨神社 糺(ただす)の森 たぬきの集い」今年1月開催)をやらせていただいたんですが、おかげさまで好評をいただいて。
その反響を下鴨神社さんが喜んでくださって、試しにアニメのグッズも置かせていただいたり――御朱印帳や第1期に弊社で作った和紙で作った招き猫などですが、結構沢山の人が買ってくださっているみたいです。
■「櫻井(孝宏)さんの声を聞くとスッと『有頂天世界』の世界に戻っていける」
―― 空気感が一期から全然変わらないというのはやっぱりキャストさんたちの演技も大きいと思います。新人とか若手の方だと、3、4年も空くと声を忘れちゃうよねと言うことがありますが、主要キャラたちに中堅~ベテランの方が多いからか、安定感がすごいなと。
堀川 そうですね。セリフ量もかなり多い方ですが、アフレコがサクサク進むんですよ。みなさん上手いのでほぼNGがないんですよね。これだけ期間が開いてもスッとキャラクターに戻ってきてくれました。
なので、アフレコは安心して見ていられますね。森見先生らしいキャラたち、たとえば主人公の矢三郎の根底にある人(?)の良さが、櫻井(孝宏)さんの人柄からも滲み出ているので、彼の声を聞くとスッと安心して『有頂天家族』の世界に入っていける。
森見先生は画だけではなく声のイメージがついてしまったことで、2巻の執筆は苦労したと仰っていましたけど、アニメから入った後に原作の『有頂天家族』を読んだ人などは、多分キャラたちのセリフがアニメの声で再生されていると思うんですよね。
―― 自分は小説から入った人間ですが、2巻を読んだ際は、もう弁天のセリフは能登麻美子さんの声で再現されていました(笑)。
堀川 僕はそれウェルカムなんですけどね(笑)。僕が過去の映画やドラマのシナリオ集を読むときには、たいてい最初にムービーを見て、その声で再生しながら読んだ方が感情移入やすいですし。小説家と映像作りの人はそこが違うのかもしれないですね。
アニメ2期から加わった新キャストも同じく安心して見ています。二代目(演:間島淳司)も実にイケメンボイスでして、もうバッチリですよね。
奥津 ただ、間島さんの初回は、なにも盛らないで素の状態で演じてみてください、と音響監督の明田川仁さんから指示を受けていましたよね。
堀川 そうそう、たしか1話のアフレコ時に、感情を入れずに素の声でって何度も言われて。全然かっこいい声でしたが、間島さんが台本を読んで役作りをしてきた二代目のイメージとは違ったのかもしれません。
―― 怪盗キッドみたいなルックスですからね、二代目は(笑)。
奥津 外見だけだと、ちょっとキザっぽいキャラに見えますよね(笑)。
堀川 最初はぐっと抑えて抑えて……最後に爆発しますからね。そういうところがとってもよく出ている演技をしていただていると思いますね。
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