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販売総額は1億7,000万円超! 中国「犬肉祭り」の経済効果はハンパない!!

イメージ画像(足成より)

 6月21日、広西チワン族自治区玉林市で毎年恒例の犬肉祭りが開幕した。正確には「玉林ライチ犬肉祭り」で、夏至に犬肉を食べると病気にならないとの言い伝えから、毎年この日に犬肉やライチを楽しむようになった。しかし、犬肉祭りには毎回、国内外の愛犬家や動物愛護団体から非難が集まっている。

 香港メディア「東網」(6月21日付)などによると、署名サイト「Change.org」には祭りの中止を求める署名が300万人から寄せられた。また、玉林市には全国各地から愛犬家らが集まり、まるで文化大革命時のように赤紙に黒字で「抵制狗肉節、営救汪星人(犬肉祭りを排斥し、わんちゃんを救出しよう)」と書かれたビラがあちらこちらに貼られた。にもかかわらず、今回も祭りは強行開催。国内外からの批判にも屈せず開催が続く背景には、無視できない規模の経済効果があるようだ。

 期間中の犬肉の販売総額は1,000万元(約1億7,000万円)以上に達し、それを料理として提供する飲食店の売り上げも含めれば、経済効果はさらに拡大する。業者によっては、犬肉祭り期間中だけで年間売り上げの30%以上を稼ぐようだ。

 過去に2度、玉林市の犬肉祭りを取材したフリーライターの奥窪優木氏によると、祭りの経済効果は意外なところにも広く波及しているのだという。

「玉林はこれといった観光資源もない3級都市で、ホテルの数も少ないのですが、犬肉祭りの前後は国内外のメディアの取材クルーや動物愛護団体などが押し寄せるので、一部のホテルは満室に近い状態になる。祭りの存続を願っているのは、犬肉に携わる者たちだけではないでしょう」

 開催に対し、台湾や香港のメディアは批判的に報じているが、中国メディアは必ずしもそうではない。「北京時間」(同21日付)は、中国では毎年1,000万匹以上の犬猫が食べられ、全世界の消費量の3分の1を占めるが、玉林の犬食の習慣は明の時代に始まったと、伝統文化を強調している。玉林人にとって犬肉を食べるのは鶏や鴨を食べるのと同じ行為であり、飼育用と食肉用を別に考えるべきであると主張し、そもそも中国には犬の屠殺や食肉を禁ずる法律がないと指摘。食べるか否かは個人の自由だとしている。

 また、中国人民大学の周孝正教授は「民間習俗と動物保護の間には矛盾がある。動物保護は国民一人ひとりの責任であるべきだが、同時に一人ひとりの正当な飲食要求も尊重しなければならない」と犬の食肉を正当化している。

 ネット上でも意見が分かれていて「恥ずべき行為」と主張するネット民がいる一方で、「自分は犬肉を食べないけど、食べたい人を尊重すべきだ」という意見も少なくない。確かに犬肉を食べるのは自由かもしれないが、人目のつくところで犬を絞めたり、姿形のわかるまま店に並べたりしなければいいと思うのだが……。

(文=中山介石)

最終更新:2018/06/28 14:00
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