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週刊誌スクープ大賞

元名物編集長・元木昌彦氏から、亡き岡留安則氏へ「噂の真相は嫌いだった──」

 ところで岡留安則元『噂の真相』編集長が肺がんのため亡くなった。享年71。

2004年に『噂真』を休刊して以来、沖縄に居を構えていたが、16年に脳梗塞を発症し、その後、肺がんが発見され、那覇市内の病院で息を引き取ったそうだ。

「マスコミが書けない皇室や警察、検察、政治家のスキャンダル、大物作家のゴシップなどを暴露してきた雑誌だ」(LITERA2月2日より)

 朝日新聞も報じ、佐高信たちが追悼文を書き、岡留の死を悼んでいる。

 業界ゴシップ誌だった『噂真』の名を一躍有名にしたのは、1999年に『噂真』5月号が放った「則定衛高検検事長が愛人ホステスを公費出張に同伴し偽名で宿泊、愛人と別れる際には慰謝料をパチンコ業者に肩代わりさせた」というスキャンダルを報じたことからだろう。

 朝日新聞が、『噂真』発売前に一面を使って、『噂真』によればと報じ、業界誌から天下の『噂真』へと格上げされた。

 彼は「東京アドエージ」出身で、そこを退社して『マスコミ評論』を創刊する。だが、うまくいかず、一人で『噂真』を立ち上げる。

 当初の頃の『噂真』は、ひと言でいえば、どうしようもない三文雑誌だった。

 出版業界の噂話を、取材もしないで載せて省みなかった。私も、現場にいるころよく書かれた。

 私は買って読んだことはないが、他人にいわれて読んでみると、的外れな伝聞記事で、よくこんなものを載せるものだと、変に感心したことがあった。

 私が主宰していた『マスコミ情報研究会』というのもよく取り上げられていた。政治家と癒着している、不透明なカネが流れているのではないかという推測記事だったが、困ったのは、そのどうしようもない記事を信用して、私を詰問してくる講談社の上の人間がいたことだった。

 どんな根も葉もないことでも、活字になると、それを事実ではないと証明することはなかなか難しい。

 その経験から、活字にする以上は、その内容に責任をもつべきだという、至極当然なことを『噂真』から学んだ。

 現代編集長時代、ゴールデン街のバーで偶然、岡留と会った。彼から、たまには飲みましょうよと声をかけられたが、「お前さんの雑誌や編集のやり方は嫌いだ。オレが編集長でいる間は付き合わない」と答えた。

 だが、創刊何周年だか忘れたが、オレに『噂真』について書いてくれと頼んできたことがあった。

「『噂真』はろくでもない雑誌で嫌いだ」と書いても載せるかというと、「かまわない、そのまま載せる」というので送ったら、そのまま掲載されていた。

 岡留と付き合いが始まったのは、編集長を降りてからである。

 年末になると、花田紀凱さんと岡留と3人で、今年を振り返ってという趣旨の座談会に何度か出たことがある。

 素顔の彼は、シャイで人たらしの好人物であった。

 私は、『噂真』が反権力だとか、真っ当なジャーナリズムを志向していたとは思わない。この雑誌の強みは「破れかぶれ」なところだった。世の中に開き直っていたといってもいいだろう。

 そうでなければ、真偽のほども分からない危ない情報を、誌面の左右の端に「一行情報」として載せるなど狂気の沙汰である。

 私は何度か、これは止めた方がいいといったことがある。間違いなく訴えられたら負けるものばかりだった。

 雑誌が絶頂期に休刊を決定したのも、個人情報保護法などが成立すれば、告訴の山になるから、それを恐れてのことだったはずである。

 沖縄でゴルフ三昧だと聞いたので、CSの彼の冠番組へ呼ばれたとき、遊びに行くからゴルフをやろうといった。

 いつでも来てください。日に焼けた顔をニヤリとさせた。

 結局、行く機会がないうちに、脳梗塞で倒れたと人伝に聞いた。

 亡くなったから、奴は凄いジャーナリストだったと持ち上げる気は、私にはない。

 だが幸せな人生だったのではないかとは思う。ゴールデン街も若者の町に変貌し、そこを愛した作家やジャーナリストたちも消えていった。寂しくなる。

 さて、今週の1位は小室圭が公開した文書を巡る文春と新潮の記事。これでもう眞子との結婚はない、いや、これは圭の決意表明だとやたら喧しい。

 新潮は、この文書に対して、秋篠宮紀子さんは、「今さら何でしょうか。遅すぎます」「内容も、よく意味がわかりません」と憮然としていたと報じている。

 さらにこの文書は、小室母子による秋篠宮家分断工作ではないか、眞子さまのお気持ちを掴んでいる限りは何とかなるという小室の胸中が見てとれると、手厳しい。

 文春はどうか。ここでは小室の代理人を務めている上芝直史弁護士が、かなり長くインタビューに答えている。

 この文書は、元婚約者にむけたものでも、反論でもないのに、メディアによって「完全に誤読」されているという。

 昨年11月に秋篠宮のいった「相応の対応」へのすべてではないが、その一環だそうだ。

 したがって、今後、元婚約者との間で互いに納得ができれば、結婚へ向けてハードルが下がると認識していると話す。

 眞子さんはこの件を知っているのかという問いには、

「眞子さんは、圭さんが発表した文書の存在と内容、そしてこうした形(マスコミを通じて)で、皆さんにお届けするというのを知っていらっしゃった」

 結婚の意志については、

「小室さんは少なくとも『結婚する』という意思は変わっていないし、眞子さんから『それは違う』ということも聞いていない」

 文書の内容、文面については、眞子さんと同意があったということ。これを秋篠宮と紀子さんに伝えていたかどうかは、断定できないが、私は何らかの形で伝えていたと見る。

 いくつかの週刊誌報道では、元婚約者には「解決金」というような名目で、圭さんの大学の入学金や留学費用など約300万円程度を支払うのではないかといわれる。

これに対して元婚約者は、金銭トラブルの発端を作った週刊女性でこう話している。

「本音は全額を返金してほしいですが、最悪、生活費は諦めてもいいと思っています。ただ、ICUの入学金と授業料、アメリカ留学費用、アナウンススクールにかかった費用は、小室家が生活をしていくのに関係のないお金なので、必ず返してほしいです。

 お金を返してもらえるなら例えば“和解金”という名目などでも納得して、この件は打ち止めでかまいません。

 少なくとも、相手側は1歩踏み出してきたし、私も弁護士と相談しながら今後、協議を進めていくつもりです」

 いろいろいわれるが、まずは解決へ一歩踏み出したことは間違いない。

【巻末付録】

 今週は現代、ポストともに合併号だから、気合だけは入っているようだ。

 最初は現代から。

「女優という人生/酒井和歌子とその時代-時を経ても変わらず楚々として」。酒井ね、よかったな~。「妄想カラー『私はネコになりたい』-ネコに生まれてよかったニャア!」

「NHK朝ドラ女優・小芝風花、すっかり大人になりました」。連ドラの「あさが来た」に出ていたんだそうだ。

 袋とじは毎度おなじみになったananを真似た「60歳からの『愛とSEX』-ゆるーく愛して、長ーく愛して」。いいね、こんな子が横にいるだけで幸せだろうな。

 次はポスト。

「河合奈保子、モルディブのマーメイド-写真集電子書籍化第6弾」。電子書籍は税込1620円で108ページだそうだ。お買い得かな。

「私は見た!グラビアアイドルスター誕生の瞬間」。写真家たちが撮った小池栄子、橋本マナミ、井上和香たちのデビューの頃。「ポスト平成の新星たち-次の時代を担うスター候補は彼女だ! 石神澪、関根優那、緒方咲、安位薫」もついてるよ。

袋とじは「奇跡の42歳・岩本和子、いけない日常-週刊ポストデジタル写真集発売記念」

「2大巨匠が愛したロマンポルノの女たち」。神代辰巳監督と田中登監督の作品紹介。

 袋とじ「ヘアヌードゆき祭り-白肌が美しい11人のゆきさんが全員全裸で大集合!」。雪のように肌の白い女たちが勢ぞろい。

「なをん/吉沢明歩、お別れする前に。」「大島優香さん、40歳。平成最後の美熟女-熟れ熟れ写真集独占公開」「森咲智美、『過激水着』を自作するオンナ-刺激的すぎて閲覧注意!」

 今週はポストのほうが量、質共に優っていると思う。この精力を記事のほうにも使ってほしいものだ。

(文=元木昌彦)

最終更新:2019/02/05 09:50
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