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失われる旅情……JR九州・北海道の“車内販売全廃”で何が起こるのか

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※イメージ画像

 いつの間にか風前の灯火になっていた。特急電車の車内販売が、である。

 3月のダイヤ改正にあわせてJR北海道とJR九州が車内販売を終了することを決めたのだ。JR九州に至っては、新幹線での車内販売も終了。博多駅~鹿児島中央駅間では、新幹線であっても、弁当などは購入できなくなる。

 両社とも終了の理由として挙げるのは、コンビニなどが充実したことによる売り上げの低迷だ。近年、駅構内の売店は著しく充実している。大きめの駅であれば必ず従来のキヨスクを拡充したようなコンビニ形態の店舗が入居。弁当でも飲み物でも、車内で購入するのではなく乗車する前に買う物になっている。

 利用する機会が減った車内販売だが、完全になくなってしまうのは、これまた悲しい。

 たとえ時代が変わっても、特急電車や新幹線に乗るのは特別な体験。多少割高であっても、車内販売でコーヒーを買ったり、お菓子を買ったりすることで旅の気分は盛り上がるもの。やはり、コンビニのビニール袋をガサゴソやっているだけではどこか虚しい。

 そして、いざという時に、あってよかったと思うのが車内販売。既にJR東海では、在来線特急の車内販売を全廃。ワイドビュー南紀も、くろしおも、しなのも、あちこちに「車内販売」はありませんと掲示してある。

 一応、車内には自販機は置いてあって飲み物程度は買えるのだが、腹の足しになるものは一切ない。途中の停車駅でも食べ物を買うことは不可能。やっぱり、旅路の途中というのは腹が減るもので、ワイドビュー南紀で名古屋から新宮まで行った時には、尾鷲あたりから腹が減って、とにかく新宮が待ち遠しかった。しなのに乗った時とかも同様である。

 特急の本数も決して多いものではないので、慌てて乗車して空腹に苦しむ人も多いと聞く。

 売り上げが低迷している以上、全廃を余儀なくされるのは仕方ない。だが、かつての食堂車に続いて、車内販売。楽しい鉄道旅行の要素が失われているのは残念だ。
(文=昼間たかし)

最終更新:2019/02/05 23:00
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