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韓国芸能人の自殺報道の裏側

女性嫌悪もすごいが男性嫌悪もすごい!? 芸能人を追い込み遺族を愚弄する「韓国ネット民の闇」

韓国版5ちゃん用語で広告起用が取り消しに

 このように、韓国芸能界はネットコミュニティと現実がリンクするが、他方でネットコミュニティの存在そのものが社会問題となることもある。その権化ともいえるのが「日刊ベストストア(イルベ)」である。

 イルベはもともとdcinsideのまとめサイトで、削除された過激な書き込みをまとめることで知られていた。それがやがて掲示板として独立した勢力になったのである。

 この掲示板でもTWICEのメンバーであるミナに対して殺害予告が書き込まれるなど、芸能人に対する悪質な投稿は多数行われているが、他のポータルサイトや掲示板と違うのは、韓国社会から「悪」と明確に名指しされ、忌み嫌われているという点である。

「イルベが有名になったきっかけは14年に起きたセウォル号事件です。当時、被害者遺族の一部が、政府に対し座り込みのハンガーストライキを起こしていたのですが、イルベ民たちは彼らの目の前に陣取り、ピザやフライドチキンを食べる“カウンター行動”を始めたのです。イルベ民の政治スタンスは保守なので、こういったリベラルな市民運動を目の敵にしているんですね。もちろん、行為そのものは激しく非難されましたが、保守的な運動は年寄りがやるものという認識が一般的だったので、参加者に若者が多かったことは韓国社会に大きな衝撃を与えました」(金氏)

 当時のハンスト現場の写真を見てみると、確かに参加者は若い男性がほとんどのようだ。顔を隠す様子などもなく、堂々とピザを囲む姿は一見ただのオフ会にすら見える。

 イルベ民の基本スタンスは保守(極右)のほか、「女性蔑視、排外主義、左派への憎悪、特定地域への誹謗」など、あらゆる差別意識の上に成り立っているが、もちろん、右派的スローガンを掲げてデモや集会を開く、日本の在特会同様、この掲示板に書き込んで過激な行動に移るのは、ごく一部のネットユーザーに限られる。

 しかし、調査会社「ニールセンコリア」によると、イルベの15年4月のモバイル基準のユニーク訪問者(UU)数は、約173万2420人で、コミュニティサイト全体の中では8位になるなど、ネット上での存在感は強い。また、ニューヨークのタイムズスクエアに故人であるノ・ムヒョン元大統領を卑下する広告を出したり、彼が表紙を飾った雑誌「TIME」の見出し「Hello, Mr.Roh」を「Go To Hell Mr.Roh」に変えたような、イルベ発の悪質なコラ画像をテレビ局がそのまま使用してしまうなど、もはや、その影響力はネットに収まりきらなくなっている。そして現実社会もまた、イルベに厳しい目を向けているという。

「5ちゃんねる用語と同じように、イルベ用語というものがあります。ネットは流行の拡散も早いので、自然とイルベを知らない人にも波及していくわけです。しかし、差別や人を揶揄する意味が根底にある言葉を知らずに使ってしまうと、社会的には許されないようで、かつて、日本でも話題になったクレヨンポップというグループのメンバーが、何気なくイルベ用語を使ったところ、せっかく決まっていた広告モデルを降板させられるという出来事がありました」(同)

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