本多圭の「芸能界・今昔・裏・レポート」

10冠を誇る民謡界のサラブレッド・義貴、二度の挫折を乗り越えブレイクなるか?

文=本多圭

義貴

 細川たかし、藤あや子、長山洋子。近年では、福田こうへいといった民謡出身の歌い手が演歌歌手として大成功をおさめているが、彼らを目指して、実力を誇る民謡歌手が毎年のようにデビューしている。今年も細川の弟子で16歳の彩青が『銀次郎 旅がらす』でデビューしているが、手前味噌ながら、筆者が応援している民謡出身歌手も紹介させていただきたい。全国規模の民謡大会10冠のタイトルを誇る新人・義貴(本名・日和義貴)だ。

「ある方との出会いがあって、2年前に、それまで務めていたNEXCO東日本を退社し、演歌歌手として勝負する決意を固めたんです。民謡ではNHKへの出演経験がありますが、今度は演歌歌手として紅白出場を目指します」

 そう語る北海道小樽市出身の義貴は、尺八の名手で、北海道民謡連盟の最高師範を務める父と、民謡日本一の経歴を持つ母親との間に生まれた。民謡一家に育った義貴自身も、10歳の頃から民謡を始めたという。 

「将来はサッカー選手になるつもリだったんです。民謡は、両親の影響でなんとなく始めたんですが、中学3年のときに、全道民謡大会少年の部で優勝したことで天狗になったんでしょうね。翌年の全道民謡大会一般部では、優勝どころか入賞すらできませんでした」

 大人たちは、民謡が表現する労働者の悲哀や苦しみを理解して歌っている。他方、仕事をしたことがない自分には、それが理解できない――。義貴はこのとき、入賞を逃した悔しさより、それが理解できなかった未熟さに挫折感を味わい、歌うのをやめたという。

 民謡をやめて、サッカーに集中するようになった義貴は、こちらでも結果を出し、21歳以下の北海道代表入りも果たした。しかし、そこからまたもや才能の壁にぶち当たって、2度目の挫折を味わったという。

「自暴自棄になって、夜な夜な飲み歩きました。そうやって落ち込んでいる俺に、母親が、“そろそろ、やってみないか“と民謡に本腰を入れるよう、背中を押してくれたんです」

 母親は「やるなら、一番、難しい江差追分(北海道の民謡)をやるんだよ」と助言したという。23歳で民謡を再開した義貴は、09年、全国江差追分大会で優勝。それ以降、民謡大会のタイトルを総なめし、10冠を獲得。道内では知る人ぞ知る有名人となった。

 それでも、プロとして生きて行くことは考えていなかったという義貴。だがその後、筆者も懇意にしている演歌歌手・伊南喜仁との出会いが人生の転機になったという。伊南は、民謡の全国大会での優勝経験を持ち、『片恋酒』というスマッシュヒット曲のある。青森出身の伊南は、同じ東北が被災した東日本大震災のことを他人事だとは思えず、お年寄りの多い被災地施設を回っては、津軽三味線と歌で慰問活動を続けている。

「伊南さんの歌に対する愛情と、歌を通じてボランティア活動を続ける生き方に胸を打たれ、弟子にしてもらいました。そこから、演歌歌手として勝負を賭ける気持ちになったんです」

 義貴は昨年夏にメジャーデビュー。地元・小樽で熱い支持を受け、今年4月には小樽観光大使に就任。そして、今は10月23日にリリースした新曲『海鳥兄弟』の全国キャンペーンに入っている。義貴、3度目の挫折は許されない。メジャー歌手として注目を浴びる日を期待したいが、まずはみなさんにも、天賦の声色と努力で鍛え上げた歌唱力を持つ義貴の歌を聴いてもらいたい。

最終更新:2019/11/01 12:12

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