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安倍首相が乗り切った「桜を見る会」疑惑で2つの重要資料が出てこない理由

安倍晋三首相

 街がクリスマスムードに包まれているというのに、永田町だけは桜、桜とかまびすしかったわけだが、臨時国会が閉幕に近づき、安倍官邸はこの疑惑を乗り越えたように見える。

 安倍首相主催の「桜を見る会」の問題である。

 それにしても、森友・加計問題を彷彿とさせる後味の悪さだった。「桜」取材に忙殺された政治部記者が嘆息する。

「いずれも決して『巨悪』でなく、安倍総理や夫妻がちょっと権力を私物化してしまっただけ。安倍首相がきちんと事実を認めて謝りさえすれば良かったが、まずいのは役所側で、それらを”合法化”させたいあまり、行き当たりばったりの理論武装を始めてドツボにハマってしまった。森友問題で自殺者を出したトラウマがあったからか、桜を見る会は、即座に来年の中止が決まりましたが、役所の”忖度”は相変わらず。野党の資料要求当日に、招待者名簿がシュレッダーにかけられたり、さらにその言い訳をするため、安倍首相に『障害者職員の勤務時間を調整して、たまたまその時期になった』と答弁させました」

 子どもでもウソとわかる答弁のオンパレードだったのに、事態が収束に向かっているのはなぜなのか。

 2つの重要資料、すなわち、シュレッダーにかけられた内閣府作成の「安倍首相枠」の招待者名簿、安倍後援会による前夜祭のホテルニューオータニの明細書、がなかなか出てこないためだ。

「招待者には、安倍首相の後援者だけでなく、単に名刺交換をしただけの反社会勢力も含まれると見られています。安倍首相は『サーバーでデータ保存し、その廃棄後は復元できない』と答弁しましたが、その生データがあれば、ツッコミどころ満載となります。前夜祭は1人会費5,000円という高級ホテルのパーティにしては格安の設定で、安倍首相サイドが不足分を持ったのではと疑われています。これは有権者への寄付にあたり、公選法違反。安倍首相は明細書はないと言い放ちましたが、そんなはずはないですし、当然ホテル側が保管しています」(前出の記者)

 森友問題は財務省が公文書を改ざんしていたことを朝日新聞がキャッチしたことで、加計問題は前川喜平・前文科次官の告発があって、「疑獄化」した。

「そうならないのは、内閣府が『ホッチキス官庁』だからですよ」

 前出の記者が解説する。

「財務省にせよ文科省にせよ、官僚人生すべてを捧げる人ばかりで、省への愛があり、だからこそ真実をメディアに告発したくなるのでしょう。一方内閣府は、『ホッチキス』と揶揄される省庁の寄せ集め集団。今の山崎重孝次官は自治省(現総務省)出身ですしね。職員の告発を期待するのは難しそうです」

 ニューオータニの明細書となると、よりハードルが上がる。

「ホテルマンが客の個人情報を出すなどご法度。一発でクビです。そもそも、安倍事務所のようなお得意様にサービスするのは当然で、値段設定はかなり安くしているはず。ただそれが明るみになると、正規料金で利用する他の顧客を怒らせることになる。つまり、安倍事務所、ホテルの双方が、明細は出さないという方針で一致しているのです」(同前)

 野党は来年の通常国会でも追及を続ける方針だが、そこまで世の関心が続くかどうかは、この資料がカギを握っているといえる。

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最終更新:2019/12/07 12:12
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