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『ねほりんぱほりん』レビュー

『ねほりんぱほりん』がギャンブル依存症の危なさを啓蒙するも、“元依存症患者”が明らかにまだヤバかった件

ヤクザに正論で諭されるほどの依存度

 借金を返さなければならないシンジさん。支払い日は翌日の夜だ。でも、手持ちがない。シンジさんは近所の人、仕事のお客さん、幼稚園の頃の友だちなど1日かけて片っ端から電話をかけ、お金をかき集めた。この作業のことを、彼は人気海外ドラマにかけて「24(トゥエンティーフォー)」と呼ぶ。この期に及んで何をカッコつけているのだろう……。

 こうして集まったお金は合計85万円。205万円にはあと120万円足りない。最終的に、シンジさんは病気の祖父に頼みに行くことにした。

シンジさん「“俺な、暴力団に殺されそうになってるから”って」

MCのYOU「もう、リアルただのオレオレだよ。詐欺じゃない」

シンジさん「“120万円持ってかないと、俺はこの世から抹殺されるんだ”っていうことを迫真の演技で。まあ、ホンマのことなんですけど」

 すでに、人の心がなくなっているシンジさん。というか、オレオレ詐欺のほうがまだマシである。孫がこんな人間になっているとは、おじいちゃんは死んでも死に切れないだろう。

 こうして、シンジさんは祖父から120万円をゲットした。ようやく借金が返せる……と思いきや、彼は返しに行かず、バカラへ直行してしまう。そして、5日間で持ち金をすべて溶かしてしまった。病気のおじいさんに無心したお金をバカラに突っ込み、0にするクズの極致。

 その後、「環境を変えればギャンブル脳が鎮まるのでは?」と考えたシンジさんは復興作業員として福島の原発で仕事を始めた。そして、今度は現地でパチンコにハマってしまったのだ。

「暴力団の人には“お前のギャンブルだけは病気やな、絶対アカンわ!”って言われました」(シンジさん)

 暴力団員からの、まさかの正論。ヤクザにまで心配されるレベルのクズだ。

 ついには、シンジさんは漫画本を盗んで売るなど、万引やひったくりに手を染め始めた。

「もう、犯罪しかないなって」(シンジさん)

 ちょっと、待て。知り合いに投資話を持ち掛け、お金をだまし取った時点で、彼はすでに犯罪者である。それを犯罪と気づかない域に彼はいるのだ。

 そして、シンジさんは逮捕され、勾留された。しかし、牢屋の中で彼は「誰からどのようにお金を借り、どうやって増やすか」ばかり思案していたという。薬物中毒者は逮捕されるまで止まらないとよく聞くが、逮捕されても金策のことしか考えないシンジさんのブレーキの壊れっぷりはそれ以上だ。

 裁判で、懲役3年、執行猶予5年の判決が下ったシンジさん。彼は「お前はギャンブル依存症や。治療をやっている回復施設がある」と父親から言われ、すぐに入所した。そこから2年間回復に努め、現在はその施設の職員として働いているそうだ。

山里亮太「もう今、ギャンブルしたいってならないですか?」

シンジさん「いや、今もまだなりますよ。やっぱりね、ギャンブルを好きなんです。大丈夫はないっスね」

 薬物依存と同じように、ギャンブル依存症も一生治らないということだ。というか、シンジさんは人から借りたお金をちゃんと返したのだろうか?

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