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ついに“口コミグルメサイト”に公取委のメス! 批判続出の“点数操作”はどうなる?

公取委がグルメサイトを“優越的地位の濫用”のおそれを指摘?

 飲食店との加盟店契約として、低額プランや高額プランなどがあり、掲載される情報に大きな差が存在する。また、契約期間や飲食店ポータルサイトの利用規約に加え、契約内容の変更について、加盟店からの申出がされない限り、その変更に同意したものとみなす包括同意条項や、クーポン等の割引情報の掲載に当たり、他の飲食店ポータルサイトに掲載しているものと同等以上の条件の割引情報の掲載を求める同等性条項が規定されている場合があることを明らかにしている。

 こうした状況から、公取委では、「飲食店ポータルサイトの中には、飲食店に対して取引上、優越的地位にあるといえるサイトが存在する可能性は高い」とし、独禁法上の“優越的地位の濫用”となるおそれがあると指摘している。

 さらなる問題点として、グルメサイトからの予約では、加盟店に知らせる顧客の情報に制限を付けているものや、飲食店の座席を自らのグルメサイトに予約在庫として登録してもらうインセンティブの存在などをあげており、これらは独禁法上の「差別取扱い」や「拘束条件付取引」「私的独占」となるおそれがあると指摘している。

 これらを見ると、一部のグルメサイトでは飲食店との間で、公正性に問題のありそうな契約を行っており、その上、かなりの優越的な地位を持っていることが伺え、さらにグルメサイトの評価や口コミの採用などが、いかに不透明かがわかる。

 公取委ではグルメサイトに対し、報告書の指摘や提言に積極的に取り組むことにより、公正かつ自由な競争環境が整備されることを期待し、独禁法に違反する行為に対しては厳正・的確に対処するとしている。

鷲尾香一(経済ジャーナリスト)

経済ジャーナリスト。元ロイター通信の編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで様々な分野で取材・執筆活動を行っている。「Forsight」「現代ビジネス」「J-CAST」「週刊金曜日」「楽待不動産投資新聞」ほかで執筆中。著書に「企業買収―会社はこうして乗っ取られる 」(新潮OH!文庫)。

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わしおこういち

最終更新:2020/03/20 12:12
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