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『関ジャム』が岡村靖幸を徹底解剖! 「唯一無二の岡村語」を支える”こじらせ男子目線”

「(恋愛は)そんなにうまくいってないッスよ」

 岡村と親交のある音楽プロデューサー・蔦谷好位置も、岡村の歌詞世界について触れた。

「岡村さんが影響を受けてきたであろうブラックミュージックの歌詞は、ナルシスティックに直接的な性を歌う曲が多いですが、岡村さんはそこに『こじらせ男子』要素を織り交ぜることで、まったく新しい表現を作りました。歌詞でも『君にモテたい』ということをはっきりと言い切っていますが、それはどれも自分に言い聞かせる妄想の中の独り言のようにも聞こえます。それらが前のめりな気持ちや、童貞感=余裕のあるモテ男の曲ではなく、どこか身近なものに感じ、一聴してナルシスティックに聞こえるようでも『岡村さん』ではなく『岡村ちゃん』と呼ばれ、愛される要因の一つなんではないでしょうか」

 つまり、岡村が作る楽曲は、モテない男目線の描写が多いのだ。例えば、「友人のふり」には「あんまりもてなかった方だし 臆病で正直じゃないから あいつの代わりになれやしないけど」という歌詞が登場する。「愛はおしゃれじゃない」には「モテたいぜ君にだけに いつもそればかり考えて」というパートがある。この世界観に、関ジャニ・横山裕が疑問を呈した。

横山「岡村さん、ものすごいモテてきてるじゃないですか?」

岡村「どうしてそう思うんですか!?」

横山「いや、映像を見させていただいてもカッコいいし、モテない要素がないじゃないですか? なのに、モテない歌をなぜ作れるのかなっていう素朴な疑問です」

岡村「ねえ。あの、うん……そんなにうまくいってないッスよ」

 ミュージシャンが思春期の頃を振り返った書籍『14歳』(著・佐々木美夏/エムオン・エンタテインメント)で、岡村は10代の頃の恋愛を振り返っている。

――デビューしてキャーキャー言われるようになったとき、“ざまあみろ”みたいに思いました(笑)?

「思わないですよ(笑)! 全然思わない」

――リベンジを果たしたわけじゃないですか。

「あぁ……思わなかったですけど、ひどい振り方をする女の人とかいたので」

――10代の頃に?

「うん。二股かけられて、あなたは本命じゃなかったと言われて振られたことがあるので、そういう人にリベンジしたいなとは思ってましたけど。“あぁやっぱこの人にすればよかった”と思わせてやろう、とか。向こうは全然そんなこと思ってないと思いますけど」

――そういえば女性不信も歌詞の根底にありますね。

「ありますね。あります。すごくあります」

 3月25日、岡村は4年ぶりのニューアルバム『操』をリリースした。収録は全9曲で、「成功と挫折」「ステップアップLOVE」「遠慮無く愛してよ」といったタイトルの曲が並ぶ。相変わらずの「岡村ちゃん」っぷりである。

寺西ジャジューカ(芸能・テレビウォッチャー)

1978年生まれ。得意分野は、芸能、音楽、格闘技、(昔の)プロレス系。『証言UWF』(宝島社)に執筆。

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最終更新:2020/04/02 15:17
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