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「自粛できない人」はどんな人なのか? 産業医が解説「自制心は健康不安と社会的抑圧のバランスに左右される」

文=日刊サイゾー

写真はイメージです(Getty Imagesより)

 3月25日夜、新型コロナウイルスの拡大を受け、小池百合子都知事は緊急会見を開き、週末の「不要不急の外出自粛」要請を行った。その前の週末には、自粛ムードの緩和からか、花見などを楽しむ人たちが目立ったことも、「オーバーシュート」「ロックダウン」といった強い言葉を用いて要請を出すに至った理由だろう。「日本経済新聞社」と「テレビ東京」が実施した世論調査によれば、要請後の週末は83%程度の人が「自粛した」と回答している。

 しかし、それでもSNSを開けば外出先での様子を投稿する人たちも少なくなく、一部では「外出自粛要請が出ていることを知らなかった」という人たちもいたと報じられている。なぜ、これほどまで世界的に危機感が拡大する中、“自粛できない(自制心が働かない)”人がいるのだろうか。

 30社を超える企業で産業医を務める大室正志氏は、こう分析している。

「私は、自粛要請に応じない人の多くは、投票に行かない人に重なるのではないのか、という仮説を立てています。投票は国民の義務ではあるものの、行かなかったとしても罰則があるわけではない=行かない自由もある。短期的に見れば、投票に行くことで、貴重な週末の時間を割かなければならないことのほうが“不利益”だと捉える人もいるでしょう。投票に行かないことがいずれどんな不利益を生むのか、中長期的に捉えることができない人たちです。

 そして、今外出を自粛できない人たちも、“中長期な不利益を想像できない”という点で、近いところがあると感じます。ざっくりいえば、例えば若者は致死率が低いと考えられていることもあり、中にはその週末遊びに出かけられないことのほうが不利益だと考える人もいる。中長期的に捉えたら、自覚症状のない若者が感染を広めることで医療崩壊によるパニックが起こり、いずれは景気の悪化などを招いて、結果、自身もバイトをクビになったり、就職ができなくなったりするかもしれない……でも、そこまではなかなか想像しにくいのです。

 人というのは、多くは“インセンティブの奴隷”ですから、自身にとって不利益のほうが大きいと感じることには自制心が働きにくいんですよ」

 大室氏によれば、今回の外出自粛に対する自制心の働きは、健康不安と社会的抑圧の掛け算のバランスに左右されるのではないかという。

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