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竹内涼真&佐藤健ドラマの大ヒットでウハウハ? ジリ貧だった Paraviが突然好調に

ホリプロ公式サイトより

 最終話の平均視聴率が19.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と好調のままに終わった竹内涼真の主演作『テセウスの船』、そして佐藤健のドS医師っぷりと甘々の恋愛模様によってジリジリと追い上げ、最終話の平均視聴率が15,4%にまで達した『恋はつづくよどこまでも』。

 どうやら、TBS制作のこれら2作のドラマが動画配信サービス「Paravi」の追い風となっているようだ。

 ParaviはTBS、テレビ東京、WOWOWの放送3社と日本経済新聞社、電通、博報堂DYメディアパートナーズの6社によって発足した株式会社プレミアム・プラットフォーム・ジャパンが2018年より運営しているSVOD(定額制動画配信)だ。

 定額制動画配信サービスの国内概況は、海外勢で300万人を超えるユーザー数を誇るNetflixや莫大な潜在会員数を持つAmazon Prime Video、国内勢には日本テレビの関連会社が配信を管轄しているHulu、フジテレビのFOD、さらにdTV、ひかりTV、U-NEXTなどの通信系までが入り混じり群雄割拠の様相だ。

 18年開始と動画配信サービスとして最後発であったParaviは「会員数に伸び悩んできていた」と在京キー局幹部が語る。

「民放に関してはキー局5社が番組を配信している無料の『TVer』もありますからね。正直、誰がParaviなんて見るんだという話もありました。フジテレビ系のFODが会員数80万人とされていますが、Paraviは会員数非公表ながら10~12万人程度といわれており『広告を売るのが難儀』だと代理店の人間も嘆いていましたよ」

 しかし、ここにきて『テセウス』と『恋つづ』といったドラマ2作が絶好調、さらに19年の秋シーズンで好評を得ていた木村拓哉主演の『グランメゾン東京』などもあって一気に会員数が増加したそうだ。

「国内の動画配信サービスはドラマの一気見で会員数を伸ばしているケースが多いんです。Huluも『あなたの番です』(日本テレビ系)で会員数が大幅に増加しましたからね。逆に言ってしまえば、人気ドラマコンテンツがないと会員増は見込めない。それぞれオリジナルコンテンツも制作していますが、やはり地上波ドラマが鍵となってくるのでドラマの特別版などを動画配信サービスで公開し、ドラマのファンを取り込もうと苦慮しているわけです」(同)

 ParaviはTBSとテレビ東京、さらにWOWOWのコンテンツを配信してきたが特性を打ち出しづらい状況が続いていた。テレビ東京の看板番組である『ワールドビジネスサテライト』などは「テレビ東京ビジネスオンデマンド」といった動画配信サービスで配信を行っているのもその一因となっている。

「そんな中での『テセウス』の大ヒットですからTBSとParaviの関係者は相当うれしかったと思いますよ。実は『テセウス』は『グランメゾン東京』と『半沢直樹』という大型ドラマでクールを挟まれている関係上、制作費も少なくこれほどのヒットを見込んでいなかったそうで。いわば棚ぼたですね」(同)

 TBSはドラマのヒットでの増益を見込んでおり、この収益を『炎の体育会TV』などのバラエティに回し制作を強化したかったようだが、昨今の新型コロナウイルスによる影響で次々と番組制作が中止、赤字が確実と見込まれている。

 しかし、同時に外出自粛によって動画配信サービスの会員数は急増中だ。一時的にせよ、加入した会員を逃さないコンテンツを配信できれば、ParaviはTBSにとっての光明となり得るかもしれない。

 

黒崎さとし(編集者・ライター)

1983年、茨城県生まれ。ライター・編集者。普段は某エンタメ企業に勤務してます。

Twitter:@kurosakisatoshi

くろさきさとし

最終更新:2020/04/10 10:14
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